キャノングローバル研究所の杉山大志さんが、日刊工業新聞に書いていたものですが、「再生可能エネルギーは化石燃料の経済性を越えられない」という当然の話です。
cigs.canon太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが増えていると言われていますが、最初の図で世界のエネルギー消費量の推移を見ればまだほとんどが化石燃料であり、しかも最近でも化石燃料の使用量が増え続けていることが分かります。
脱炭素化と言う言葉が本当に「化石燃料を使わない」ことを指すとするなら、その実現などは全く遠い話でしかありません。
脱炭素化を進める根拠となっているのが二酸化炭素温暖化による気候変動ですが、その脅しを使っても途上国が安価な石炭や石油に頼る動きは止められません。
昨年には世界各地で風力発電からの撤退が始まっているようです。
また「グリーン銘柄」と呼ばれる環境関連企業の株価も崩壊したとか。
経済性ということを考えてしまえば、このようなグリーン化と言われるものは成り立たないのも明らかです。
ここまでは私の考えともほとんど一致しているのですが、最後だけは少し違います。
核融合が切り札となると杉山さんは見ていますが、そう楽観的にはなれません。
まだまだ実用化の初期段階にすら達していない技術であり、もしも若干進めたとしても今は予測できていない困難が次々と出てくるのは間違いないと思います。
結局は、化石燃料を使い果たす前にエネルギーに依存しない方向に進めるしかないのでは。
それでも、再生可能エネルギーへの期待だけで進められると妄信している他の大多数の人間よりは少しはまともなことを言っているようです。