テレビ高知でドイツ取材をして「再生エネルギーを循環使用」したというバイオマスの木質ペレット製造施設について紹介したということです。
ドイツがバイオマス発電の先進国なんていう話は知りませんでしたが、上記記事を見ると皆が感心しているようです。
どうやらテレビ放送の紹介のようなのですぐに消えてしまいそうですから、内容を引用しておきます。
ペレット工場は近隣の製材所から出る「おが粉」を原料にして年間1500トン製造しています。
そのペレットを用いて発電する設備を併設しており、その電力を用いておが粉の乾燥をしているとか。
さらに太陽光発電装置も備えているために工場操業に電力を購入することはほとんどないということです。
このような状況であるため、「再生エネルギーを地域で循環している」と称しているそうです。
しかし、なんか変な論理ですね。
少なくとも「再生エネルギーを循環」などということは言えないでしょう。
その地域についてみれば、「伐採して製材している木材」が一年間に成長する以上の分量を使っていれば樹木の総量はどんどんと減っていきます。
その廃棄物として出ているおが粉を使っているといっても、それはせいぜい捨てるものを使いましたという程度の話であり、とても「循環」などと言えるものではありません。
まあ他のところでは廃棄物として単に燃焼しているおが粉を捨てずに使いましたという程度のことでしょう。
もしもその地域が森林を相当量保有していても、その1年間の木材成長量が1500tもあるとは思えません。
結局は他の地域からの木材を移入して使っているか、さもなくば徐々に森林の量が減少しやがては禿山となるということでしょう。
なにか森林というものを打ち出の小槌のように考えているのかもしれませんが、木材として使用しようが、ペレットとして発電燃料としようが、使える量は年間の成長量だけに留めておかなければ必ず森林は減少していきます。
これはいくら植林しようが同じことです。
森林の成長も太陽エネルギーの恩恵なのですが、それでもその使用できる限度を越えれば破綻につながります。