爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ」マーラ・ヴィステンドール著

中国の一人子政策というものが人口の増加を抑えているとか、隠れて産まれた子供がいるとかいった切れ切れの知識はありましたが、これが男性の人口が極端に多い社会につながっているということには気がつきませんでした。 この本はそのような社会というものが…

”賀茂川耕助のブログを読んで”No.1109過去最高の防衛費

今回の最新記事は本年度予算で防衛費がさらに増加し過去最高となったというものです。http://kamogawakosuke.info/2015/04/27/no-1109-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E6%9C%80%E9%AB%98%E3%81%AE%E9%98%B2%E8%A1%9B%E8%B2%BB/#more-5340 折から、集団自衛権という名前…

行ったことのある都道府県 岐阜県

岐阜もかかわりのある県で、父方の祖母の出身地です。とはいえ、私の生まれる10年以上前に亡くなっているので何も思いでもない人ではありますが。 長野県出身の祖父がなぜ岐阜の田舎(加茂郡七宗町というところだそうです)の出身の祖母と結婚したのかはま…

「九州・沖縄食文化の十字路」豊田謙二著

著者は熊本学園大学教授で経済学出身ですが、食文化に関する著書も多いようです。九州が活躍の場であったようで、各地を実際に訪れていろいろな食文化と接して居られるということです。 九州の文化は食に限らずさまざまな方面で朝鮮半島や中国の影響を強く受…

行ったことのある都道府県 福井県

福井にも金沢単身赴任の間に一度だけ行きました。 家の菩提寺が曹洞宗と言うことがあり、以前から永平寺には行ってみたいと思っていましたので、この機会を逃すといけないと思い秋の一日自分としては少々遠いドライブとなりました。 金沢から国道8号を南下…

「朽ちるインフラ 忍び寄るもうひとつの危機」根本祐二著

著者の根本さんは東洋大学PPP研究センター長という方です。PPPとはPublic Private Partnership ということで、公民連携だそうです。本書は2011年のちょうど東日本大震災直後の出版ということで、社会資本についての問題が大きく認識される時期ではありま…

機能性食品表示制度、さらにFOOCOM.NET松永編集長解説

FOOCOM.NETの松永和紀編集長が機能性食品表示についてさらに詳しい解説をされています。http://www.foocom.net/column/editor/12593/ 「蹴脂粒」という脂肪吸収を抑えるというもののようですが、エノキタケ抽出物がβアドレナリン受容体と結合して脂肪の低減…

「つながり進化論 ネット世代はなぜリア充を求めるのか」小川克彦著

著者の小川さんは私とほぼ同年なので、副題の「リア充」という言葉が何かは判らずに教え子の学生さんに教えてもらったそうです。リア充とは「現実(リアル)の生活が充実していること」だそうで、現代の若者もネットの中ばかりで生きているわけではないよう…

「環境と倫理 自然と人間の共生を求めて」加藤尚武編

1998年に有斐閣アルマというシリーズで出版されていますが、大学程度の教科書を想定して書かれており、著者として様々な大学の先生が当たっています。編者は環境倫理学では中心的な加藤尚武先生と言うことになります。 出版当時は環境ホルモン問題が最高…

機能性表示食品、早くも疑問例

いつも食品安全関連で参考にさせて頂いている「FCOOM.NET」で編集長の松永和紀さんが機能性表示食品として申請された中で疑問例をあげて論評されています。http://www.foocom.net/column/editor/12585/機能性表示食品とは「科学的根拠」があれば(他人の論文…

「現代の戦争報道」門奈直樹著

著者はジャーナリズム論を専攻する大学教授ですので、ちょうど同じ頃に読んだNHKなどの報道姿勢に関する本を書かれた新聞社のジャーナリストとはやはり姿勢が少し異なるようです。 最近でも新聞社やテレビ局などの特派員ではなくフリーのジャーナリストが中…

行ったことのある都道府県 石川県

石川県も住んだことのある県です。 会社勤めも最後が見え出した6年前に石川県に出向と言う話が来ました。その時の勤務もほとんど窓際業務になっており居づらいムードになっていたこともあり、また最長で3年間と期限も決まっていたために行ってみようかと思…

「NHKと政治支配 ジャーナリズムは誰のものか」飯室勝彦著

中日新聞記者として、そして論説委員として筋金入りのジャーナリストである著者が、最近のNHKをめぐる政治の報道支配を目指す動きについて昨年2014年に出版した本です。もちろん、今年に入ってからもこの動きは加速するばかりで、毎日のように聞くに堪え…

傍観者が原発を支える 毎日新聞コラムより

今日の毎日新聞のコラム「風知草」に編集委員の山田孝男さんが表題で原発再稼動裁判について書かれています。(ネットでは会員以外は記事全文は見られないようです) 今回の再稼動差し止め判決は画期的内容ではありますが、以前の最高裁の判例に従っておらず…

「石油と原子力に未来はあるか 資源物理の考え方」槌田敦著

エネルギー問題や二酸化炭素温暖化仮説について様々な自説を闘わせている反骨の物理学者というべき槌田さんですが、元来は表面物理と言う分野の研究者でした。 それがエネルギー関係の方面に進むようになったきっかけは本書のあとがきに書かれているように、…

「本物を見極める 3億円のヴァイオリンはいかに鑑定されるのか?」佐藤輝彦著

著者の佐藤さんは㈱日本弦楽器というヴァイオリンの売買を行う会社の代表取締役ということです。本書によればストラディバリウスなどの銘器と呼ばれるヴァイオリンの売買を扱う楽器商は日本では数社しかないようですが、その中でも上位の会社と言うことです…

SL人吉号春のシーズン

冬の間は運転休止していたJR九州の観光列車「SL人吉号」が運転再開です。 もう40年以上前にはあちこちに蒸気機関車の写真を撮りに行っていたのを思い出し、近くを走る列車を撮影に行ってきました。 撮るばかりでなくそのうちにぜひ一度乗ってみたいと思っ…

アベノミクス 輸出企業の利益がトリクルダウンされない理由

アベノミクスの手法として一番のものは円安誘導して輸出企業などに利益を上げさせ、それが国内の他部門へ流れるという「トリクルダウン効果」があるからと言われています。 それ自体は確かに以前は存在していたでしょう。事実、各国ともに自国の通貨を安くし…

統一地方選挙 あまりにも安く売り渡す一票の価値

統一地方選挙前半戦では与党の推薦する候補者がアベノミクスへの期待を集めて順調に当選しているそうです。 確かに大企業の正規労働者には若干の賃上げというおこぼれ(トリクルダウン?)があったようですが、非正規労働者や中小企業、そして当然のように年…

行ったことのある都道府県 富山県

富山県に行ってのは1回だけです。 数年前に石川県に仕事で行くこととなり、3年ほど居たのですがその時に北陸3県はこの機会に訪ねてみようと思っていました。しかし富山には行く機会がなく最後まで心残りでした。 仕事も終わり石川を離れることになったの…

「フリーフォール グローバル経済はどこまで落ちるのか」ジョセフ・E・スティグリッツ著

ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツが2008年の経済危機について2010年に書いた本です。リーマンショックと言われる大規模な危機の対策として巨額の公的資金投入があったにも関わらず、金融機関の経営者は変わらずに巨額の報酬を受け取ったとい…

「倫理力を鍛える」加藤尚武編著

このところ倫理学者の加藤尚武さんの本を集中して読んでいますが、この本は社会の様々な問題に対して倫理学であればどのような切り口で考えていくかと言うことを具体例を挙げながら語っていると言うもので、副題にあるようにトレーニングブックとしての性格…

新聞読むのは気取ってる?驚きの大学生事情

毎日新聞の記者コラム発信箱にあった、小国綾子さんのコラムですが、新聞記者志望の大学生が「新聞を人前で読むのは気取ってると思われる」とか「意識高いと陰口を言われる」と話したので驚いたという話です。 とんでもない話で、反知性主義もここまで来たか…

「反貧困 ”すべり台社会”からの脱出」湯浅誠著

著者の湯浅さんは貧困対策を長らく実施してきており、NPOなどの活動を行ない民主党政権下では内閣府参与としても活動してきたと言う人です。この本は2008年出版ですのでその少し前のものですが、さまざまな出版関係の賞も受賞していると言うことです。 労働…

「旧約聖書の謎」長谷川修一著

著者はオリエントの歴史、聖書の歴史を専門とする史学者で、ハイデルベルグ大学、テルアビブ大学などでも研究をしてきたという専門家です。 旧約聖書はユダヤ民族の神話として扱われていますが、以前は(そして一部の人は今でも)本当の歴史を記述されている…

「絶対音感神話」宮崎謙一著

「絶対音感」というものには数々の神話がつきまとっています。絶対音感を持つ人は耳が良い、絶対音感を持つ人は音が全部ドレミに聞こえる、モーツァルトは完全な絶対音感を持っていた、絶対音感を持つ人は1万人に1人(または1500人に1人)等々です。 著者は…

「時刻表昭和史」宮脇俊三著

著者の宮脇俊三さんは故人になりましたが、元祖「乗り鉄」とも言うべき人で国鉄時代に全線踏破をされ、それを「時刻表2万キロ」という書物にされています。 この本は子供の頃から青年時代まで、ちょうど戦前から戦争中の自らの鉄道趣味の人生前半をそのそれ…

行ったことのある都道府県 静岡県

静岡は住んでいたところ(神奈川・愛知)に隣接していたこともありたびたび訪れていたところです。 ただし、多いのは東部の伊豆半島や御殿場沼津などと、西部の浜松周辺で、中央の静岡市などにはほとんど降り立ったことがありません。そんな中で一度だけ静岡…

「心理学とは何なのか 人間を理解するために」永田良昭著

心理学者で学習院大学の学長も勤められた著者が、心理学そのものについて書かれたものなので、心理学の成果の細かいところなどを描いたと言うものではありません。したがって、ちょっと話が抽象的で難しい内容となってしまいました。心理学というと一般の人…

「地球環境読本Ⅱ」加藤尚武編

以前に読んだ環境倫理の本で感銘を受けた加藤尚武さんの本ということで期待して読んだのですが、それほどではありませんでした。 よく見てみると加藤先生は編者ということで、実際に執筆したのは30人近い人々です。執筆者紹介欄を見ると加藤先生の教え子の…