爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

統一地方選挙 あまりにも安く売り渡す一票の価値

統一地方選挙前半戦では与党の推薦する候補者がアベノミクスへの期待を集めて順調に当選しているそうです。
確かに大企業の正規労働者には若干の賃上げというおこぼれ(トリクルダウン?)があったようですが、非正規労働者や中小企業、そして当然のように年金生活者にはなんの波及効果もないままです。
それでももしかしたらという期待感だけで投票している人もいるのでしょう。

それにしても、何と安いおこぼれで一票を売り渡していることか。空前の金融緩和ということで始まっているアベノミクスが2年もたってほんの2−3%の賃上げで本当に良いのですか。それも貰える人はごく一部です。
大企業の社員には届いても、そこに納入する下請け企業への支払いを増やしたなどと言う話はまったく聞きません。中小企業従業員の給料は上げたくても上げられないというのはまったく当然過ぎるほど当然の話です。
輸出企業に夢を見させるだけの円安誘導政策で、多額の貿易赤字が拡大しています。そのツケは莫大なものであり、いつかは払わなければならないものですが、政権はその頃にはどうせ代わっているから払うのは自分たちではないとでも言いたいようです。

成長戦略などと言って出てくるのも夢にもならないような子供騙しばかりです。しかも少なくともそれを真剣に討議すべき国会で現在何をやっているかを見れば現政権の狙いは明らかです。経済政策についての討議はほとんど話題にもならず、(やっていないとは言えないでしょうが)大きく報じられるのは集団的自衛権や安全保障関連のことばかりです。政権の意図は見せかけの経済政策で(バカな国民を騙して)集めた議員数を使って本当にやりたい政策をごり押しして通すことだけだと言うことは見え見えでしょう。

とは言え、いくら自民党に疑問を持っても投票すべき対立野党があの状態では入れる気にもなりません。今日の新聞の投書欄には女性の方の投書として「野党は政策を明確に打ち出して投票の受け皿になれ」という意見が出ていました。まさに当然の論議ですがなぜ出来ないのでしょう。現在の野党も共犯と言えるかも知れません。

まだ後半戦の選挙は残っています。このまま与党に投票しても何をするかは明確です。決して実のある経済政策などはやるはずもありません。(できるはずもありません)投票すればするほど逆の方向に進んでしまうということを認識し、アベノミクスを信じている人であってもそれをきちんとやらせるにはどうすれば良いかということを考えるべきです。それには適度に選挙で負けさせるしかないと思いますが。
私はアベノミクスの効果などはまったく信じていませんが、それでもやっていることはきちんと進めるべきであり、現状のように看板を上げているだけで何も動かないような形は最悪です。少なくとも進めるだけは進めてみて、駄目だと言うことを早くはっきりさせなければなりません。そのためにも政権に水を浴びせることが必要です。