爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

八代市立博物館夏季特別展「なるほど!紙づくりの世界」見てきました。

kumanichi.com金曜日から開かれている、八代市立博物館未来の森ミュージアムの夏季特別展「なるほど!紙づくりの世界」を見てきました。 八代は江戸時代から手漉き和紙の産地で、肥後細川藩の御用もつとめていました。 「宮地和紙」として今でも続けられてい…

「現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと」見田宗介著

「はじめに」の最初から明確な人類の歴史の認識が示され、引き込まれていきます。 現代社会は、人間の歴史の中の、巨大な曲がり角にある。 まさに、その通りでしょう。 ギリシャで哲学が生まれ、仏教や儒教が生まれ、キリスト教の基になる古代ユダヤ教のめざ…

「左派系新聞」なんて日本にあるの。

よく読んでいるある方のブログは、いつも大変参考にさせていただいていますが、そこに引用された評論家の記事で気になることがありました。 鈴置高史さんという方が書かれた、韓国に対する半導体関連品の輸出規制強化についての文章です。 デイリー新潮とい…

参院選熊本選挙区の候補者B氏のあまりにも非常識な水俣病認識

まあ色々ある参院選で、ほとんど興味も薄れかけているもののなんとか気持ちを奮い立たせているのですが、嫌気がさしてくるのは度々です。 熊本選挙区は定数1に、自民党の現職B氏、野党推薦のA氏、それにNHK反対派という諸派のS氏の3人が出馬していますが、…

「教科書が載せられない名文」棚橋正博著

江戸時代には本というものが庶民にまで広く普及しました。 彼らがもっとも興味を示したのは、硬い内容のものではなく、笑いあり色恋ありといったものでした。 特に、色事に関わるものは多くの人に愛好されました。 それを書く側も教養ある人々であることが多…

「内田樹の研究室」より「『そのうちなんとかなるだろう』あとがき」

内田樹さんが近々出版される、「そのうちなんとかなるだろう」という本のあとがきについて書かれています。 blog.tatsuru.com そこではなんと、「自叙伝」のようなものを書いているそうです。 「あんたら若い人は知らんじゃろうが、昔の日本ではのう・・・」…

7pay事件に現れるキャッシュレス志向の危険性

7payの幼稚な安全対策が開始早々に破綻した件につき、経済学者の宿輪純一さんが、現代ismediaというサイトで解説を掲載していました。 gendai.ismedia.jp7payのセキュリティーシステムが考えられないほど甘かったということは、多くの人々が指摘しています…

フランスの「デジタル課税」にアメリカが反発。アメリカ政府が誰のためのものかはっきりする。

フランス政府はグーグルやフェイスブックなどのIT巨大企業を対象とした課税制度を作ろうとしています。 それに対し、そのような企業が存在するアメリカはその動向が自国企業を標的としたものとして対抗する動きを見せています。 www.bloomberg.co.jp 最近の…

「終わっている臓器」坂井建雄監修

人間の身体というものは、不思議なほど精密に作られたようなもので、人体には無駄な部分など一つもないように思えます。 しかし、よく見てみるとなんとも残念と思えるような不都合なものが数々あるようです。 これは、地球上に最初に生まれた脊椎動物から人…

本日見かけた迷惑運転「右左折の合図は30m前だろうが」

雨も上がったので少し散歩でもしてくるかと外に出てみました。 30分も歩けば必ず交通違反の車に出会います。 (単なるスピード違反は除く、これは外に出た瞬間に出会います) 今日は、やや広い通りを横断しようと、横断歩道の手前で待っていた時のことです…

太っている人はなぜ「食べていません」と言うのか。身に覚えのある問題点

栄養疫学研究の児林聡美さんが書かれている文です。 hers-ms.com 栄養疫学とは、食事の量や質、内容について多くの人の現状を調査し分析してその中に含まれる傾向を探るという学問分野で、慎重な調査企画と手法を守り解析をすれば大きな成果も期待できるとい…

トランプは見境なくイギリス全体を非難

イギリス駐米大使が極秘公電で本国に「トランプは無能」と報告した件で、トランプ大統領は大使ばかりでなくイギリス首相や英政府まで批判するという暴挙に出ています。 これこそ「無能」の証明でしょう。 www.bbc.comイギリスの大使が本国に何を報告しようが…

「遊楽としての近世天皇即位式」森田登代子著

ちょうど天皇の譲位があり、即位式などが話題となっている時ですが、本書はそれには関係なしに江戸時代の天皇の即位式について書かれているものです。 著者の森田さんは、江戸時代の明正天皇の「御即位行幸図屏風」に出会ったときに衝撃を受けます。 その図…

イギリス駐米大使が、本国への極秘公電で「トランプは無能」と報告した件にトランプ反撃

イギリスの駐米大使が、本国への報告で、「トランプは無能」と書いたことが漏洩してしまい、どうなることかと思っていたらトランプの反撃が始まりました。 www.excite.co.jp何をするかと思えば、大使とは「絶交」ついでにイギリスのメイ首相もボロクソにけな…

7payでの大失態はセブンイレブンの経営の劣化によるものか

完全な準備不足とセキュリティーの認識不足にも関わらず、他社との競争心だけで始めて、すぐに大きな不正を誘発してしまった、セブンイレブンの7payについて、ITmediaビジネスオンラインというところで、窪田順生さんという方が書いています。 headlines.ya…

「文豪の凄い語彙力」山口謡司著

日本語にも同意語というものが多数存在しますが、それらは完全に同意であるということはなく、微妙にその意味や使用法が異なるものです。 文豪と言われる、多くの作家たちはそのような同じような意味の言葉を、それでもしっかりと使い分け、さらにこのところ…

水俣病救済特別措置法成立から10年、まだ救済には程遠い

水俣病救済特別措置法が成立して、7月8日でちょうど10年だそうです。 熊本のテレビでは報道されていましたが、全国ではどうだったでしょうか。 水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法 これがどういうものかと言うと、1950年代か…

「世界が動いた『決断』の物語 新・人類進化史」スティーブン・ジョンソン著

「人類進化」という文字に惹かれて読みましたが、あまり進化には関係ないようです。 最後の章に書かれているように「学校で過ごした長い期間で、意思決定そのものを教える授業はひとつも記憶にない」そうです。 アメリカでもそうでしょうが、日本でもまった…

大雨など災害が予測される場合の「全員避難」、でも本当に全員避難所に来たらどうするつもりか。

先週の豪雨で、危険な状態に達した鹿児島などでは、「全員避難」の避難指示や避難勧告が各地の自治体で出されました。 しかし、報道によると、鹿児島市でも全人口59万のうち、避難所に避難したのはわずか0.6%だけだったとして、問題視されています。 しか…

「内田樹の研究室」より「参院選にあたって」

内田さんが毎日新聞からの要請で書いた文章が掲載されたそうですが、それに加筆したものを研究室に掲載されました。 今度の参院選挙にあたり書いたものですが、現在の民主政治の危機について警鐘を鳴らすものとなっています。 その内容は、私の持っている民…

「美しい日本のくせ字」井原奈津子著

最近はパソコンなどで作ってプリントというのが多くなり、汚い字で困るということは少なくなったようですが、かつては上手に字が書けないというのは大きなコンプレックスでした。 しかし、この本の著者の井原さんは、そのような字「くせ字」が大好きという変…

キャッシュレス化で浮かれすぎ、セブンペイで詐欺

コンビニ各社のスマホ決済が出揃ったかのようですが、早くも不正アクセスで他人の口座から取得という事件が発生しました。 www.asahi.comセブンイレブンのスマホ決済、「7pay」で中国人が逮捕、組織的な犯罪のようです。 登録したとたんに見る見る間に引き…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで、No.1257葬った「2千万試算」報告書

「賀茂川耕助のブログ」では、線香花火のようにパッと光ってすぐ消えた「2千万円」について書かれています。 kamogawakosuke.info金融庁の金融審議会が「95歳まで生きると夫婦で2千万円が必要」という試算をまとめ、発表したことで大騒ぎとなり、麻生大臣は…

安倍亡国政権を批判はしているが、それでも選挙で野党に入れる気にはなれない。

参議院選挙が公示されました。 私はこのブログで一貫して安倍政権を批判しています。 しかし、選挙で今の野党に投票する気にはなれません。 社会、経済、環境など、根本から見直さなければ人類文明の崩壊の危機が迫っているのに、それらの見直しを提言すると…

今日見かけた交通違反「脇道からでる一旦停止の停止線は歩道の前だろうが」

長く続いた大雨もようやくあがり、晴れ間も出たので溜まった用事を片付けるために町中(田舎町ですが、一応市街中心部)に歩いてでかけました。 ちょっと広い、歩道付きの道を歩いていると、横道から一台の車が出てきました。 歩道前の停止線はほぼ無視。そ…

「ロストブックス」スチュアート・ケリー著

訳者あとがきという、巻末の文章に、「久々にすごい本に出会った」とあるように、かなりの珍品と言える本です。 本書で初めに取り上げられているのは「ホメロス」、そこから現代の作家のものまで、「存在したのは分かっているが残っていない」本について語っ…

豪雨は降り続く。避難ばかり勧められるが本当に避難できるのか。

九州は今日も音を聞くだけで怖ろしくなるほどの豪雨が降り続いています。 しかし、このところのテレビニュースなどでは繰り返し「危険になる前の避難の呼びかけ」が続いています。 今日はまだ出ていませんが、数日前の大雨の時には、熊本県内でも私の住むと…

「東大のディープな日本史」相澤理著

この著者の本では、一橋大学の日本史入試問題についてのものを読んで非常に面白かったのですが、こちらの東大の入試に関する本の方が先に出版されており、続けて読んでみました。 おそらく、著者の相澤さんとしては一橋の問題の方がお好みのようなのですが、…

党首討論会、「夫婦別姓」と「経済成長」を無理やり関係づけたい安倍、もはや「支離滅裂」

6月30日に開かれてネット中継された各党党首の討論会で、「夫婦別姓」について聞かれた安倍首相が、「夫婦別姓などどうてもよい、経済成長」と言わんばかりの返答で、批判を集めています。 jisin.jp そのやり取りを再現すると、 立憲民主党の枝野幸男代表…

首相発言もはや論理崩壊。トランプには憲法の話をしていると弁解、それは憲法を変える理由の説明?

日米安保体制についてトランプがあれこれ発言し、安倍にも話をしているといった内幕までバラした事に対し、安倍首相は言い訳のつもりか「トランプには最初に会ったときから憲法と自衛隊のことを説明している」と語りました。 www.nikkei.com この発言の意図…