爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

”賀茂川耕助のブログ”を読んで、No.1257葬った「2千万試算」報告書

賀茂川耕助のブログ」では、線香花火のようにパッと光ってすぐ消えた「2千万円」について書かれています。

kamogawakosuke.info金融庁の金融審議会が「95歳まで生きると夫婦で2千万円が必要」という試算をまとめ、発表したことで大騒ぎとなり、麻生大臣はこの報告書を受け取らないとし、金融庁は即座に謝罪しました。

 

この報告書案はまだ金融庁のホームページで見ることができるそうですが、それを見た賀茂川さんは、その内容を「若いうちから投資を始め、さらに高齢者にももっと投資させようとするもの」とまとめています。

その中の「年金が足りないから2千万必要」という部分のみが取り上げられ、騒ぎとなりました。

 

しかし、実は賀茂川さんの次の指摘のほうが重要です。

国民年金や厚生年金の積立金の運用を行っているGPIFは2018年10月~12月期の運用実績で14兆8千億円もの運用損を出したことがわかっている。約150兆円を運用しているから、その1割近くを失ったことになる。もちろん元本は残っているのでこれで即年金制度が破綻するわけではない。しかし国内、海外の株式で14兆円も損失を出したという事実は、年金をこのような高リスクを伴う資産で運用すること自体が問われるべきだと思う。

私も繰り返しこの問題を主張していますが、大騒ぎになった割にはこの問題を指摘する人は少なかったようです。

 

このように、国の投資ですら多額の損失を出しているにもかかわらず、個人にも投資の増額をすすめるようなことを金融庁はしているわけです。

年金資産が減るのは国の責任でなんとかしなければならないでしょうが、個人資産がもしも減ったり無くなったりしたらどうでしょう。

これも「自己責任」と言われるだけなのでしょう。