爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

なんとこの台風騒ぎの中、東京に行ってました。

台風直撃騒ぎの東京に行ってました。 ちょうど、土曜日に大学の同窓会を久しぶりに開催ということだったので、台風の危険性も顧みず出かけました。 土曜の午後に着いた頃にはだんだんと雨が強まり、昨日は大雨さらに強風。今日も明け方までは雨が残っていま…

「戯作者銘々伝」井上ひさし著

戯作者とは、江戸時代後期に流行した洒落本、人情本などの通俗小説の作者を指します。 為永春水、山東京伝、十返舎一九といった人々が有名ですが、他にも多くの人々が執筆していたようです。 この本は、そういった戯作を書いていた人々の周辺を短編小説とし…

「古道 歴史の道百選」森田敏隆著

平成8年に文化庁によって、「歴史の道百選」の第一次選定が行われ、78箇所が選ばれました。 本書はその78にそれ以外の9箇所を加えた87箇所の古道を写真家の森田さんが撮影した写真で紹介しています。 取り上げられている道は、東海道や中山道など有名な街道…

「倭人への道 人骨の謎を追って」中橋孝博著

著者は人骨を専門とする考古学者ということです。 したがって、DNA分析が主流の現代の進化学界とは少々捉え方が異なっているようで、新人(ホモ・サピエンス)のアフリカ起源説がほとんど主流となっているのですが、著者はネアンデルタール人と新人との混血…

「現代の地政学」佐藤優著

非常に印象的な活動を続けられている佐藤優さんが、池袋コミュニティ・カレッジというところで地政学というものについて講義をした、その記録をまとめています。 地政学というものは、最近は非常に注目されているようで、「地政学リスク」といった言葉は一人…

またまた新聞ネタ 「文庫本販売不振は図書館貸出のせい?」

文庫本の販売不振は図書館での貸出のせいだから止めてくれと、文藝春秋社の社長が全国図書館大会の席上で語ったそうです。 https://mainichi.jp/articles/20171019/ddm/004/040/004000c 冗談じゃないという感想しかないですが、様々な要因の中の一つではある…

「ゲノム編集を問う 作物からヒトまで」石井哲也著

「遺伝子組み換え」という技術は実用への応用が広がり農産物の種類によってはそのほとんどが組み換えによる種子から作られているという状況になっていますが、最近ではそれをさらに高度にしたような「ゲノム編集」という技術が急速に発達しようとしています…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1199 操作されたネット検索

グーグルなどのネット検索は、どういった操作をしているのかよく分かりませんが、不正工作をしたとしてグーグルがペナルティを課したという件と、逆にグーグルが自ら偏った情報操作に加担しているという話です。 kamogawakosuke.info 検索結果は相当操作され…

香山リカさんのコラムに見る、政治家の資質

政治ネタはやらないと言いましたが、あまりにも面白い記事があったので特別に取り上げます。 我が家の購読新聞の毎日新聞(これだけで私が相当偏屈で変わり者というのが判るでしょうが)のコラムに、精神科医というよりは文筆業の方が有名な、香山リカさんが…

健康シリーズ 持病あれこれ 膝の痛み

政治には夢も希望も無くなり書く気もしませんので、別の話題として数々持ち合わせている持病の話でも書いてみます。 昨日、2kmほど離れた図書館に行こうと歩きだしたら左の膝の上あたりがズキンと激痛。 また来たなという思いでトボトボと歩いていきまし…

クロマグロ漁についてニュース。操業制限が本当にできるのか。

クロマグロ(ホンマグロ)の資源保護と言う問題では、漁獲制限が上手く行かずに混乱しているようですが、渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」にもこの記事が載っていました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review934.html 記事内容は、小型クロマグロ(30…

夢の話「バレーボールの試合」

久しぶりに筋のはっきりしていて、なおかつ公開しても差し支えない夢をみました。 なかなかこの2条件クリアという夢は見ないもので、何かグジャグジャの妄想のような、とても書けないような夢ばかりこのところ見ていたのですが。 今日の夢は、バレーボールの…

「日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で」水村美苗著

「グローバル化のために幼児に英語教育」などという議論を聞くと、「それじゃ日本人が小説や詩を英語で書くようになるのか」と反発を覚えていましたが、そういった問題について非常に優れた分析を展開されている本を発見しました。 発見したといっても、私が…

「〈鬼子〉たちの肖像 中国人が描いた日本人」武田雅哉著

〈鬼子〉には「グイヅ」とフリガナが振ってあります。 中国人がかつて日本との戦争の頃に日本人を指して呼んでいた言葉です。 鬼子とは人間とは見なされないものです。 日本でも「鬼畜米英」などと言っていたものです。 戦国時代のように相手も同類と知って…

「修己治人の学『大学』を読む」守屋洋著

中国の古典として四書五経というものがあるというのは知ってはいても、またその四書の書名が大学・中庸・論語・孟子であることを知ってはいても、その内容まではまったく分からないままでした。 その一つ「大学」を読むという本を中国文学者の守屋さんが書き…

因果関係と相関関係 栄養疫学では切実な問題 児林聡美さんのコラムより

FOOCOM.NET専門家コラムで興味深い記事を書いている、栄養疫学研究者の児林聡美さんが、相関関係と因果関係ということについて解説しています。 www.foocom.net 栄養疫学に限らず、「疫学」という研究手法はあるがままの実態を様々な方向からみていくことで…

「羽生必敗の法則」田中寅彦著

現在の将棋界では、藤井聡太四段が中学生棋士として目を見張る活躍をして注目を集めていますが、およそ30年ほど前には羽生善治(現在王座棋聖)がやはり中学生でプロ棋士となり大活躍をしました。 当時は今ほど騒がれもしませんでしたが、その実力は圧倒的…

「岩石から読み取る 地球の自叙伝」マーシャ・ビョーネルード著

著者は地質学者であり、岩石の研究をされてきた方ということです。 地球科学という分野では地球誕生から現在までの地球の経歴というものをダイナミックに推論されていますが、それらの根拠となるものは一つ一つの岩石の詳細な検討から生まれてきたものという…

「核と日本人 ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ」山本明宏著

核というものに日本人が触れたのはようやく原爆により広島と長崎を破壊されてからのことでした。 その後、様々な動きがあり現在に至っているわけですが、「核」というものに対する日本人の認識というものは一定であったわけではありません。 本書まえがきに…

衆院選挙構図も結果もミエミエ。興味を失ったのでコメントもこれ以上はありません。

希望の党が公約発表、その基本姿勢と中身の無さには今更ながら落胆します。 民間野放しの小さな政府、原発ゼロと言っても積極的に閉じるのではなく成り行き任せ。なんでこんなことまで言うのというユリノミクス。 アベノミクス以上の内容の乏しさで、選挙へ…

「なぜ少数派に政治が動かされるのか? 多数決民主主義の幻想」平智之著

著者は様々な職業を経験した後、民主党政権奪取の時に衆議院議員となり政治の運営というものを目にしました。 禁原発という考え方を発表したものの成らず、その後は政治から離れてしまったそうです。 政権内に居た頃に感じたことが、ごく一部の人々の声が政…

ピアノを聞いているうちに突然頭に蘇った風景

先日、いつものコーラスの練習に出かけた時のことですが、練習開始までの間指導者の先生が指慣らしでピアノをポロンポロンと弾いていました。 その演奏を目を閉じて聞いている内になぜか東京のある風景が蘇ってしまいました。 そのピアノ曲がその場所に関係…

名前の流行について、テレビ番組から

ちょうど読書記録でも人名用漢字についての本を読んだところですが、先週見たテレビ番組「日本人のおなまえ」でも関連した問題を扱っていました。 www4.nhk.or.jpこの番組ではこれまでは「名字」に関する話題が多かったのですが、この回では「個人名」につい…

「人名用漢字の戦後史」円満字二郎著

戦後の国語改革の中で、漢字の使用制限と言う面では漢字撤廃を目指す人たちが主導して実施したために当用漢字制定は拙速で不合理なものであったということを説いた本を読んだことがありました。 sohujojo.hatenablog.com 漢字の問題としては、当用漢字以外に…

野党側選挙準備遅れに対する理不尽な報道

小池新党の立ち上げでの失策については、私も批判的に書きましたが、このところのテレビ報道などを見ていると希望の党を含め立憲民主党など野党側の選挙対策遅れを批判する動きが強まっているようです。 批判だけならまだしも、揶揄するような論調もあり、嘲…

「ヒットの教科書 プロジェクトを成功させた”挑戦者”に学ぶ」奥井真紀子著

「日経トレンディ」という月刊誌で連載されていた「ヒットの軌跡」というヒット商品開発の話を18編まとめて1冊の本にしたというものです。 ヒット商品なるものには、中には単に上手いCMで売ったとか言うものもあるようですが、ここで取り上げられているの…

海外で日本の「鶏刺し」が紹介される とんでもない誤解を生むかも

FOOCOM.NETの専門家コラムで、消費生活アドバイザーの瀬古博子さんが欧米で日本の「鶏刺し」が紹介されていることを論じています。 www.foocom.net日本では行政は一貫して鶏肉の生食は危険という注意喚起をしていますし、欧米でも同様なのですが、日本への観…

小池ブーム早くも興ざめか

民進党からの候補者受け入れに厳しい条件をつけ、政策一致を求めすぎるあまりにゴタゴタと不手際が相次ぎ、すっかり小池ブームも収まりつつあるようです。 今日のテレビワイドショーの論調でも、もはや最初のような「小池新党どこまで行くのか」といった半ば…

「歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる」遠藤雅司著

歴史の中の人たちが何をどのように食べていたのか。日本の過去の人たちのこともよく分かりませんが、外国の人々のことになると歴史上の活躍が分かっていても食生活は想像ができません。 そこで、歴史料理研究家という遠藤さんが様々な資料を元に料理を再現し…

「遺伝子改造社会 あなたはどうする」池田清彦、金森修著

ゲノム編集と言うことがここ数年急激に発展しているようですが、この本は2001年出版でありながらこういった事態を予測しそうなったらどうなるかということを取り上げています。 池田さんは有名な?生物学者で、金森さんは哲学出身の科学史専攻の方です。…