爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本国憲法の逆襲」佐高信編

評論家の佐高さんが、憲法改正論議が大きく沸き起こった2000年当時に雑誌「世界」でそのテーマで毎月対談したものをまとめたもので、対談相手には田原総一郎河野義行田中康夫原田正純など、そうそうたる面々です。
憲法に書いてあることすら守れない状況で、さらにそれを変えるということがどういうことか、それぞれが問題点を主張されており、今読み返しても興味深いものではあります。

特に原田正純さんは水俣病の発見当時から患者の立場に立った医師として有名な方ですが、惜しくも昨年亡くなりました。原田さんが2000年当時に語ったことは現在でもあまり変わってはいません。ちょうどその時は、水俣病患者で患者の活動をまとめてこられた川本輝夫さんが亡くなった直後だったようで、川本さんに関する思い出も語っておられます。

田原総一郎さんとの対談では、田原さんが1934年生まれで、その上の世代も下の世代も声が大きく主張したがりの人が多いが、自分たちの世代は子供の頃に周りの大人が態度をころころと変えるのを見てあまり声高にしゃべる気持ちがなくなったと語っていますが、ちょうど少し前に読んだ塩野七生さんの本で、1937年生まれの私達はあまり声を上げないサイレントマイノリティーだと書いていて、共通する感覚なのかもと感じました。