爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「もしトラ」から「やぱトラ」になった時、中国の製造業は衰退しそれを円安の日本が肩代わりするのか。

バイデンの不調が明白となる中、「もしもトランプが再選したら」つまり「もしトラ」が「やっぱりトランプが再選する」「やぱトラ」となりそうな情勢です。

(ただし、やぱトラなんて言っている人はまだいませんが)

 

トランプの大統領時代には中国との関係が悪化し、高額関税の掛け合いといった応酬をしてはいたものの、実際には中国の製造品をアメリカが大量に購入するという構造に変わりはありませんでした。

その後、バイデンも政治上の形式的には中国との摩擦増大といったポーズを取り続けましたが、貿易をみれば相変わらず製造工場の中国産品を消費大国アメリカが大量に購入するという構図は変わりません。

 

これが「やぱトラ」になった時もそのようなポーズだけで推移するのか。

ここはやはり形として、数字として中国撤退というものを出してくるのでしょう。

 

アメリカ製品の組み立て工場を中国から撤退し他国へ移す。

もちろんトランプは「アメリカへ」と言いたいのでしょうが、このドル高でそうはならず。

これまでの流れで行けば東南アジアや南アジアへの移転ということでしょうが、そこで浮上するのが円安の日本。

一から作り上げなければならない途上国に行くよりは、手間がかからず高品質を狙える(”得られる”かどうかは知りませんが)日本の方が有利。それが円安でコスト的にも非常に有利という状況であれば、日本へという動きも出るだろうという予測です。

ネット上にも「円安で日本復活」などと言う掛け声が見られます。

 

ただし、他の多くの産業をも覆っている「人手不足」という雰囲気はどうなのでしょう。

高齢化が進むとか、人口減少が始まっているとか言われますが、まだ実際の労働人口はそこまで減っているはずもありません。

しかし人手不足というボディーブローが多くの産業を苦しめています。

 

これは特に低賃金、低効率の産業で多く見られていることですが、「円安で日本復活」の立役者となるだろうものも、やはり組み立て製造業という安い労働力頼りの産業が多いのでは。

つまり、いくら円安で有利といっても実際に人を集めて工場運営ができなければ製造もできないということです。

 

これがあるべき姿に近づくためには製造業の環境、労働環境などが劇的に変わることが必要でしょう。

正規雇用などで働こうという人がいなくなれば、すべてを正社員雇用で賄わなければなりません。

それが大勢を占める中では、ごく一部の非正規雇用労働者も需要が激増し、時給も一気に数倍などと言うことにもなりかねません。

そうなってくれば商品価格も人件費高騰を受けてさらに高騰。

これこそ、「経済の悪循環」に他ならないのですが、政府日銀はそれでも好循環と言い続けるのでしょうか。

 

まあ日本の変化がどうなるかはともかく、トランプが再選されることで世界情勢が大きく変わってしまうのは間違いないことでしょう。

ただし、トランプも若いような顔をしていますが年齢はバイデンの3歳下。

この4年は突き進んでも次がどうなるか、まったく見えません。