爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

日米安保条約がなくなる日、「内田樹の研究室」より。

日米安保条約アメリカが日本に掛けた手かせ足かせのように考える人もいますが、一方で相変わらず日本の領土を守るための御神体のように思い、尖閣諸島は安保条約の範囲内などと言う米要人のリップサービスを聞いただけで大喜びする人もいます。

 

しかしアメリカ人のかなり多くの人々がこのような米軍の世界情勢への関わりを否定する立場であるということは日本では積極的には報じられることがなく、知られていないようです。

blog.tatsuru.comトランプが大統領になれば、また駐日米軍の経費の日本負担を大幅に増やすといった予測はされますが、そのような経費上の問題だけでなく思想として米軍の海外派遣を否定する人たちがいます。

リバタリアンという立場がそれであり、トランプもそれに含まれます。

彼らは諸外国の紛争にアメリカ軍が参戦することだけでなく、アメリカ国内でも政府が軍として活動することを否定します。

軍備を行うのは自らが個人的にするだけで、国としての軍備も認めません。

リバタリアンは徴税と徴兵を忌避します。

国の役割は最小限とし、すべて自己が管理することを目指します。

彼らから見れば日本のように自ら軍備することを避け米軍に頼るだけという存在など忌避すべきものと見えます。

 

トランプは大統領選のさなかにNATOからの離脱も口にしました。

それと同じ文脈で在韓、在日の米軍の撤退も非常に高い可能性があるのかもしれません。

もちろん、実際に撤退するまでは至らずにそれを脅しにはるかに高額の駐留費用を持ち出すのでしょう。

「日米同盟基軸」などと言う言葉を政権は念仏のように唱え続けていますが、それが向こうから骨抜きにされることもあり得るということです。