毎日の猛暑で熱中症になる人も多数出ています。
熱中症の対策として水分をとるだけでなく塩分もと言われていますが、日本人は塩分摂取量が多く高血圧患者もかなり多数居るはずで、発汗で多少塩分が減ったくらいでは関係ないんじゃないのと永井さんも長く疑問に思っていたそうです。
厚労省や環境省の熱中症対策のガイドラインには発汗時には塩分も摂取とありますが、一方では栄養学や医療の専門家が塩分は必要なく血圧上昇につながると説明することもあります。
どっちが本当なんだと迷いそうですが。
日本の塩分摂取量の平均は男性で10-11g/日、女性で8-9g/日となっています。
食事摂取基準では目標値として男性で7.5g/日、女性で6.5g/日にしています。
ただし、世界的にはWHOでは5g/日と定められています。
日本は食塩摂取量がかなり多く、現状でも世界基準の倍、これをいきなり半分にしろといっても無理なので少し高めにしたそうです。
このくらいの食塩摂取状況ですが、大量の発汗といってもどの程度の塩分が排出されるのか。
仮に1リットルの発汗という大量発汗があったとして、それで失われる塩分は計算上1.4-1.6g程度であり、これがすぐに塩分欠乏となることはなさそうです。
それならなぜ「塩分補給」と言われているのか。
実はここには「熱中症の予防と治療」の違いが関わっているそうです。
かなり汗をかいた時でもまだ熱中症とは言えないならば、その予防のために塩分を取る必要はなさそうです。
しかし、熱中症の兆候が見られたり初期症状が出ている場合にはすでに塩分バランスが崩れている危険性が強いため少量の塩分が含まれたもの、経口補水液などを取るのが良いということです。
また労作性か非労作性かによっても異なり、スポーツや激しい作業で起こる労作性熱中症の場合は塩分を含む水を飲ませる必要がありますが、老人が室内などで起こす非労作性熱中症の場合は塩分は必要なく、またそういう人の場合は高血圧症状がある人も多いため塩分はかえって問題となるようです。
どうやら通常生活している中での発汗時にはあまり塩分は必要ないようです。
しかし、私もかつての会社勤めの時代に高温多湿の現場で作業をしていて急に手足の筋肉がけいれんし焦ったことがありました。
水分は必要ということでひっきりなしに水を飲んでいたのですが、塩分は取っていなかったので塩分バランスが失われたのでしょう。
ああいった場合にはやはり治療と考えて経口補水液を飲むべきだったのかも。
まあだいたいが高血圧気味ですので、そこも注意しなければいけないのでしょう。