ファイザー社が開発中の新型コロナウイルス感染症の治療薬、パクスロビドが中間解析結果で有効性ありということで、この後アメリカで緊急使用申請が行われるそうです。
この薬について、また忽那賢志さんが解説記事を書いています。
news.yahoo.co.jpすでにMerck社の経口抗ウイルス薬モルヌピラビルがイギリスで緊急承認され、日本でも年内には承認される見込みですが、それに続いた経口治療薬になりそうです。
パクスロビドは発症3日以内の重症化リスクの高い患者に投与した場合、死亡あるいは入院という重症化リスクを89%軽減したということです。
パクスロビドは、新型の抗ウイルス薬PF-07321332とその血中濃度を高く維持することができるブースター効果を持つとされるリトナビルという薬剤の合剤ということで、ウイルスの増殖を行う3CLプロテアーゼと言う酵素活性を阻害するということです。
経口薬で効果が期待されるということは非常に大きな利点であり、現在効果ありとされている抗体カクテル療法は点滴が必要なために実施に条件が付けられるのですが、経口薬であれば簡単に投与できます。
今のところは重症化リスクの高い人にのみ適用ということですが、リスクのない人への臨床研究も始まっており、それが可能となればこのウイルス感染症の治療もかなり楽になるでしょう。
なお、これまでの臨床試験では問題となる副作用も出ていないということですので、ますます期待されます。
ワクチン接種が先行しましたが、やはり罹った時の治療薬が充実してくれば安心でしょう。
まだ感染初期の治療のみのようですが、重症化した場合の治療薬も出てくればと思います。