NATROMさんの今度のブログのテーマは「新型コロナに対するイベルメクチン」です。
イベルメクチンとは言わずと知れた、ノーベル賞の大村智博士が発見した抗寄生虫薬です。
それが新型コロナウイルス感染症の治療に効果があるのではないかという話が出てきているようです。
これまでもいくつか、こういった話が出ては消えしていますが、今回もそのような構造がそのまま成立しているようです。
流れている噂では「海外ではイベルメクチンを使っているのに日本では使えない」とか、「効果があるのにイベルメクチンを使えないのはワクチンメーカーが抑えているからだ」といった陰謀論と、これもこれまでの例と類似した内容です。
各国で実際に臨床試験が行われているのは事実のようですが、今のところ効果があるという確実な報告は出ていません。
なお、「イベルメクチンは効かない」という主張をする人もいるそうですが、これも誤りで「まだ分からない」というのが実際のところのようです。
新型コロナウイルス感染症の決定的な治療薬が見つからない中、イベルメクチンに対する期待も熱狂的と言えるほどになっているようです。
中には個人輸入サイトで購入できると誘導する怪しいサイトもあるとか。
このブームを煽っているのは、これもこれまでと同様に現役の医師で肩入れしている人が居るようです。
医師は免許さえ持っていればその裁量の範囲内ということで適用外の薬品も使えるようですので、勝手にやってしまう人が出てきてしまうのでしょう。
それで「私の患者は一人も死んでいない」と言って一般人の期待を煽ることになるのですが、このような経験論はほとんど価値がありません。
そこでNATROMさんが言っているのが、表題にもなっているように「ケースシリーズをきちんとしたデータとして発表してくれ」ということです。
誰もが待望している新型コロナウイルス感染症治療薬ですが、今こそきちんとしたデータに基づく議論が必要なところでしょう。
