新型コロナウイルス(しかし流行拡大から3年がたつのにまだ”新型”というのもどんなものか)は新規感染者が徐々に減りつつあるとはいえその減少傾向はゆっくりとしたもので、まだまだ警戒が続いています。
実は先日、以前勤めていた会社の退職者たちの親睦会、OB会の幹事会が開かれ、幹事中最年少の私も参加してきました。
年1回開いていた懇親会が2回連続で中止となりましたが、今年こそ復活させようということです。
これにはやはり報道されているCovid-19感染の現状を見ての判断も入っているのでしょう。
新規感染者発生数はまだまだ多いままで、全国では毎日1万人以上の方が感染者となっています。
しかし、いわゆる「重症者」の数値は非常に低く、東京都では0という数字が珍しくありません。
全国でも数十人ということで、かつてのように全国で数千人が重症者として治療を受けていた状況とはかなり異なってきました。
ただし、それでも「死亡者」は毎日発生しているようです。
ここには重症者というものの定義が関わっているようです。
東京都が重症者の数値が異なるとして問題になった記憶もありますが、東京都は人工呼吸器、人工心肺(ECMO)を使って治療する人を重症者としていたのに対し、それ以外ではそれに加えてICU(集中治療室)での治療をしている人も重症者としていたため基準が異なるということが言われていました。
現在でもそれが変わったとも明記していませんが、いずれにせよかなり減少したということでしょうか。
人工呼吸器等が治療に必要というのは重度の肺炎になり自律的な呼吸ができなくなるということなのですが、それを使う必要が無くなったということはCovid-19のウイルス変異により症状の出現状態も変化したということでしょう。
そのため、重度肺炎にはならなくとも死亡に至る患者は出るということでしょう。
いずれにせよ、このような重症者の減少ということからどうしても一般国民は「もう普通の風邪並みに近づいた」という意識が出てしまっているのでしょう。
国や専門家がいくら警鐘を鳴らしてもその意識は止めようがないようです。
さらに、ワクチン接種は2回目まで終了が80%以上、3回目終了も60%を越えるという状況で、まだ子供の接種は進まないでしょうから大人についてはほぼすべて終了しているということです。
しかしそれでなぜ新規感染者が減らないのか。
どうやらこのウイルス、このワクチンでは「感染予防」の働きはあまり期待できないようです。
ウイルス自体の性質なのか、ワクチンの性質によるのかは分かりません。
知りたいと思ってもなかなかはっきりとしたデータが示されていないものがここにあります。
それは「新規感染者のワクチン接種状況」です。
新規感染者のうち、2回接種、3回接種の人はどのくらいいるのか。
年代別の新規感染者という数値は報道されていますが、それによれば10代未満がこのところ4分の1程度、これはほとんどワクチン未接種でしょうが、それ以上の年代では接種者がかなり多数になるのではと思います。
重症者の中にどれほどワクチン接種者がいるかを見ることができればワクチンの重症化阻止効果も判るのでしょうが、そもそも重症者が少なくなればこれは判断できません。
さらに「感染経験者の新規感染の有無」もはっきりとしません。
現在出てきている新規感染者はワクチン接種の有無はともかく、「再感染」ではないのかどうか。
再感染はしないということであればこのウイルスは感染者に対してある程度の免疫を残すということですが、それに比べてワクチンの免疫は効果が薄いということになります。
さらに、「死亡者の詳しい死因」はどうなのか。
おそらく重度肺炎による死亡はかなり減少しているのでしょう。
では死亡した人は持病の悪化などのせいなのか。
あるいは「ウイルス流行関連死」とでも言うべきものなのか。
このような疑問はいくつかありますが、それでも「ただの風邪」とは言えないまでも「インフルエンザ並み」程度ではという一般の認識がさらに広がりそうです。
となれば、旅行や飲食、スポーツ観戦、コンサート等々、様々な需要が膨れ上がり、これまで抑圧されてきたものが一気に噴出するということにもなりそうです。
「感染対策を徹底したうえで」という決まり文句があるかどうかはともかく。