SDGsについては何度か取り上げていますが、よくお邪魔する雑草Zさんの「雑草の言葉」の中でもまた触れられていましたので、こちらでも別の観点から書いてみたいと思います。
下の絵はよく見られますが、おなじみの絵ですね。17の目標をきれいにまとめています。こういったところは手慣れたものでしょう。
これを見る限り、SDGs(Sustainable Development Goals)という名称ではなく、「公正な世界を」とか「正義を世界に」といった名前の方がふさわしいと思うのですが、なぜわざわざ「持続的」(Sustainable)と入れたのか。
どうしても「その言葉が流行だから」としか思えないのですが。
それはともかく、これら17の目標を見ていると方向がバラバラなのに加え、そのレベルが全く異質なのにも驚かされます。(本当は別に驚いていないんですが、話の勢いでそう書いておきます)
6,安全な水とトイレを世界中に、と12,平和と公正をすべての人に、ってとても同じ高さで見ることはできないと思うのですが。
どうやら、この目的の中には、「公平公正な世界を作る」とまとめるべき項目(A)
と、「世界を正義により律する」と言うべきもの(B)と、さらに「そうは言っても経済界を黙らせなければいけないので仕方なく入れておく」もの(C)、および「環境派がうるさいから一応入れておく項目」(D)があるようです。
それでは、どれがどこに入るのか。
まあ私見で分類してみましょう。
(A)4,質の高い教育をみんなに、5,ジェンダー平等を実現しよう、10、人や国の不平等をなくそう、16、平和と公正をすべての人に、17、パートナーシップで目標を達成しよう
(B)1、貧困をなくそう、2、飢餓をゼロに、3、すべての人に健康と福祉を、6、安全な水とトイレを世界中に、
(C)8、働きがいも経済成長も、9、産業と技術革新の基盤をつくろう、11、住み続けられるまちづくりを、12、つくる責任、つかう責任、
(D) 7、エネルギーをみんなにそしてクリーンに、13、気候変動に具体的な対策を、14、海の豊かさを守ろう、15、陸の豊かさも守ろう
まあどちらにも入りそうなものもありますので、分類する意味はあまり無いかもしれません。
それでも、これだけ色々と様々な目標を入れておけば、「だれでもどこかに関わりそう」ではあります。
特に(C)の各項目は、民間の営利企業であってもどこかに関係してくるでしょうから、「私の会社もSDGsに参加してます」とどの会社も言えるという意味はあるのでしょう。
例えば、利益確保に猛進している会社(多くの優良企業ですが)も「経済成長を達成しようとしているんだ」と言い張れば立派にSDGsに参加していることになります。
12の「つくる責任」も法的に製造者責任を満たさなければならない日本のメーカーはすべて入ってしまいます。
逆に、(B)の項目など、普通の民間企業ではちょっとやりますとも言い辛いものではないでしょうか。
こんな、「普通の企業活動をやっていればSDGs実施していることになる」ような活動など、あまり意味があるとは言えないでしょう。
しかし、とにかく(A)(B)の項目は世界の正義や公正と言う問題に取って大切な姿勢であるのは間違いなく、これらを実施するという人には何も文句はありません。
是非、頑張ってやっていってほしいものです。
問題は、(C)(D)の方で、これを挙げている人や企業、団体というものはちょっと困る場合もあるのではないかと感じます。
結局、SDGsとは、これを推し進めていったからといって世界がどうなるという展望が見えてくるということはないように感じます。
やはり一つ一つの課題をきちんとこなす姿勢というものが必要ではないでしょうか。