爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「新型コロナウイルス感染症の終結」とは何か。ワクチンが未完成の状況での再開は再感染を生む。

新型コロナウイルス感染症の流行初期に多数の感染者を出したものの、しばらくは患者発生が止まっていた北海道で、再び多数の新規感染者が出ているようです。

www.nikkei.com

緊急事態として社会生活の制限を始めた当初は一応の期限としてゴールデンウイーク終了の5月6日と言われていました。

しかし、その日が見えてきた今でもまだ新規感染者検出の勢いは止まらず解除は危うくなってきました。

 

一方では、営業自粛などで収入の途絶えた業種は存亡の危機に立たされようとしており、少しでも感染者増加が抑えられれば再開の圧力も高まるでしょう。

 

さて、それではこのような流行性の感染症の「流行終結」とはなんでしょうか。

 

・病原菌・ウイルスの保有者が居なくなり(完全治癒または死亡)感染できる病原体が無くなる。

・社会の構成人員のほぼ全部が感染し、抗体を獲得しそれ以上は感染しなくなる。

・ワクチンが完備しそれをすべての人々に接種して免疫を付与する。

 

今回の、社会封鎖をしてでも終結させようというのはこの最初に挙げた「感染できる病原ウイルスを消す」と言う終点を目指すものです。

 

一時言われていた「イギリスでは何もせずに免疫獲得を目指す」というのは2番目の「ほぼ全員に感染させ抗体獲得を目指す」ということを指します。(その後あきらめたようですが)

 

ただし、「感染し治癒したら抗体を獲得し、もう大丈夫」というのはあくまでもインフルエンザなどでの話であり、必ずしも抗体ができたら大丈夫と決まったわけではありません。

www.afpbb.comそういう例が多いのでしょうが、それに反するウイルスの例もたくさんあるようです。

 

そして、もしも抗体獲得でそれ以上の感染が防げるとしても、今回のように「社会封鎖」で他人との接触を制限して感染拡大を防ぐという方法はこれとは相容れないものです。

あくまでも多くの人がまったく感染しない状況を作り出し、その間に感染者の感染可能ウイルスが消えるのを待つというものです。

 

しかし、どうやら「消える」までにはとんでもなく長い時間が必要なようです。

PCR検査で陰性となった感染者でもそれからしばらくして再び検出と言う例もあるようです。

 

このような状況で、拙速で社会活動再開を急げばどうなるか。

当然のことながら、まったくウイルスに触れる機会のなかった人々に再びウイルスが襲い掛かりいつまでも感染者が続くことになるでしょう。

 

結局は、ワクチンが完成しそれを大多数の人々に接種しない限りは終わらないことになるでしょう。

 

本当かどうか知りませんが、新規感染者がほとんど無いという中国ばかりか、まだばたばたと死者が続くアメリカでも感染が下火などと言い出している状況で、経済再開の圧力が高まれば感染爆発の再燃もあちこちで起こりそうです。