爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「村上春樹はノーベル賞をとれるのか?」川村湊著

著者は文芸評論家として、これまでにも村上春樹に関する著書も書いてこられており、毎年ノーベル賞発表の頃にはマスコミの取材を受けることも多く、ある年はテレビスタジオに待機させられ、ドーランまで塗った状態で報せを待ったこともあるそうです。 そこで…

"賀茂川耕助のブログ”を読んで、No.1252「若年層の貧困化」

久しぶりに賀茂川さんのブログから、「若年層の貧困化」 kamogawakosuke.info南ヨーロッパでは若年層の失業率が高いという話は、かなり昔からありましたが、どうやらアメリカや日本でも深刻化しているようです。 賀茂川さんが取り上げているのは、アメリカで…

北方領土に関する維新議員発言。これは言語道断だが、ロシアがこれについて批判しているのはもっとひどい。

維新の衆議院議員、丸山穂高が、北方領土を取り戻すには戦争しかないと発言し、維新は丸山を除名、議員辞職も促すという事態になっています。 biz-journal.jpこの発言時には酔っ払っていたと、酒のせいにするというさらなる問題発言ですが、まあ日本の国会議…

「後醍醐天皇」兵藤裕己著

鎌倉幕府の滅亡と南北朝の騒乱、それを引き起こした要因の一部は、後醍醐天皇という天皇家史上稀な存在にあります。 「賢才」か「物狂」か。その評価は大きく別れます。 この時代は、古代からつながっていた社会構造を一変させ、それまでの血縁や地縁が深か…

大学生の数学理解レベルの低下 %が分からない

ニューズウィーク日本版に、桜美林大学教授で数学者の芳沢さんが、%に代表される比率というものが分からない大学生が増えていると書いています。 www.newsweekjapan.jp有名大学への進学競争は過熱気味かと思いますが、一方では底辺大学だけでなく多くの大学…

「俗語発掘記 消えたことば辞典」米川明彦著

冒頭の「まえがき」に著者がこの本を作り上げた方針が書かれています。 明治から現在までに現れては消えていった俗語を辞典風に解説したというものですが、そういった「死語辞典類」は従来も何冊も出版されてきました。 しかし、著者はこれまでの40年間に…

米中貿易戦争について、筑波大名誉教授遠藤誉さんの解説

ニューズウィーク日本版には、筑波大名誉教授の遠藤誉さんが「鍵を握るのは日本」と書いています。 www.newsweekjapan.jp中国もどうやら本気で抵抗するつもりとのこと。 究極まで進めれば、世界各国もアメリカに付くか中国に付くかということになってしまい…

米中貿易戦争の行方は。田中宇さんの「国際ニュース解説」でも長文の説明が。

アメリカが中国からの輸入品への関税を25%とする件については、一報を書きましたが、田中宇さんの「国際ニュース解説」でも触れてありました。 米中の貿易戦争再燃か、アメリカは中国からの輸入品に対して25%関税、中国も対抗処置 - 爽風上々のブログ …

「内田樹の研究室」より、「小学校教員の採用試験の倍率低下について」

2018年の小学校教員採用試験の倍率が3.2倍となり、7年連続の低下で過去最低となったそうです。 blog.tatsuru.com 倍率3倍以下となると採用した教員の質の維持が難しくなる「危険水域」だとか。 文科省の見解というものも出ているようで、定年退職者…

「海外パッケージ旅行発展史」澤渡貞男著

パッケージ旅行、いわゆる団体旅行はさんざん馬鹿にされてはいるものの、やはり今でも多くの海外旅行者はこれで出かけているでしょう。 それは、日本人の海外旅行が自由化された1964年以降に始まったもので、JALPAKやLOOKという名前は有名なものでした。 こ…

ほんと、どうでも良いような話なんだけどNHK朝ドラ「なつぞら」について

暇でしょうがないので、朝もNHKで朝ドラと「こころ旅」の放映を見るというのが日課になっております。 朝ドラは現在、広瀬すず主演の「なつぞら」 東京大空襲で母親を亡くし、父親は戦死したという「なつ」さんは、父親の戦友(藤木直人扮する柴田剛男)に引…

米中の貿易戦争再燃か、アメリカは中国からの輸入品に対して25%関税、中国も対抗処置

アメリカと中国の貿易収支を巡る協議はまとまらず、アメリカは中国からの輸入品の関税を25%に引き上げるそうです。 www.nikkei.com 協議はまだ続けられるということですから、それに対する圧力という意味が強いのでしょうが、実際に関税が引き上げられて…

「図解 地方自治 はやわかり」松下啓一著

多くの自治体の長と議員を選挙する、統一地方選挙が行われたばかりですが、今回も低投票率、候補者の枯渇などの問題点が露呈しました。 とはいえ、自分自身がそういった地方自治というものについて、ほとんど知識がないのも確かですので、この機会に少し勉強…

東京オリンピック予約の受付開始、大混乱

東京オリンピックのチケットの抽選予約受付が始まったそうですが、初日は大混乱でネットでも数時間待たされたとか。 東京まで見に行くという可能性もほとんどありませんので、ほとんど興味ありませんが、「抽選の予約」なんでしょう。 なんでそんな混雑して…

「蓮池流韓国語入門」蓮池薫著

著者は言わずとしれた、拉致被害者の蓮池薫さんです。 拉致されてから北朝鮮で暮らしていく中で、言葉も徐々に勉強していったのですが、この本を読むとその言語学的な分析力は非常に高いものと見られます。 韓国語と日本語は、その基本的語彙がまったく違う…

見えてきた事故時の状況、幼児死亡の滋賀県大津市事故現場

昨日の事故発生より、テレビ各局総力をあげての取材が続けられているようで、集中豪雨と批判されようがやっている厚顔ぶりにも恐れ入りますが、それでも事故の状況をはっきりと見せてくれるという効果はあるようです。 事故の起きた交差点について、ずっと取…

「ヘンテコノミクス 行動経済学まんが」佐藤雅彦、菅俊一、高橋秀明著

行動経済学ということについては、以前も何冊か本を読んだことがあります。 sohujojo.hatenablog.com 経済学の分野の中では新しく生まれたもので、経済学というよりは心理学といった要素が強いように感じました。 とはいえ、役に立つという意味では従来の経…

滋賀県であまりにも悲惨な交通事故。何が本当に悪いのかいい加減に気づいて。

滋賀県大津市で、車同士の衝突でそのまま保育園児に突っ込み、園児や保育士が巻き込まれ園児2人が死亡、多数が負傷という事故が起きました。 headlines.yahoo.co.jp 私も孫がほぼ同じ年齢でもあり、親御さんや周囲の方々の気持ちを思うと言葉を失います。 …

「東日本大震災を分析する 1地震・津波のメカニズムと被害の実態」平川新、今村文彦編著

2007年に、当時東北大学の東北アジア研究センター長であった編者の一人、平川さんは、宮城県沖地震の発生が間近に迫っていると考え、地震や津波の専門家だけでなく文系研究者も含めて地震災害全般についての研究を急ぐ必要があると考え、賛同者を得て「…

IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)が報告書「動植物100万種が絶滅危機」

IPBES(略称も覚えられないが、正式名称はもっと難しい)が、「動植物100万種が絶滅危機」という報告書を発表したそうです。 www.asahi.comそれによれば、人間活動で世界の海域の66%が影響を受け、湿地の85%が消滅、16世紀以降に少なくとも680…

「確率で読み解く日常の不思議」ポール・ナーイン著

日常生活で出会ういろいろな事も、確率を考えればそれがどのようになるかということがより正確に判定できるかもしれません。 そのような観点から、次のような事柄を確率論で推計してみせるという本です。 ただし、その結論として出てくるのは数式であり、そ…

「疑似科学評定サイト」より「磁石磁気治療」

「磁気ネックレス」などの磁石を使った器具で、肩こりなどを癒やすというものは多数存在し、誰でも一度は使ったことがあるかもしれません。 しかし、どうやら「磁気が肩こりを癒やす」というのは、科学的な証拠が得られていない話のようです。 話のタネは明…

「内田樹の研究室」より、「憲法の日に寄せて」

いつもお世話になっております、「内田樹の研究室」今回は「憲法の日に寄せて」と題されています。 blog.tatsuru.com内田さんは、加藤典洋さんという方の書かれた「九条入門」という本を読み、非常に感銘を受け、それに自論を付け加えて書かれたということで…

生ゴミ収集を連休中に全休のところがあるそうで。

テレビの報道でやっていましたが、今回の4月27日から5月6日までの10連休の間、生ゴミ収集をまったくやらないところがあるそうです。 www.fnn.jp 上記の記事にもあるように、連休中にもごみ収集は行なうというところも多いようですが、最初の番組によ…

「差別はいつ悪質になるのか」デボラ・ヘルマン著

「差別」という言葉には「悪い」という価値判断が伴っているのは、日本語でも英語でも同様なのですが、ここでわざわざ「悪質になる」としたのは、さほど悪くない差別もあるということで、それが「悪質」とみなされるようになるにはどういう背景があるのかと…

長村洋一さんが「FOOCOM.NET」で書かれている、「科学立国の危機(豊田長康著)」の書評が良い。

長年、臨床検査技師教育に携わり、食品衛生などに詳しい長村洋一さんは、FOOCOM.NETの専門家コラムで記事を書いておられ、前回は「健康食品の品質の問題」と題して現在の日本の現場の品質管理技術の低落を糾弾されていたのですが、今回のコラムでは、現在鈴…

今日見た運転危険行為「都会仕込の横着運転」

久々の運転危険行為の目撃談です。 熊本県南の田舎町にも年に数回の賑わいがやってきています。 普段でしたら盆正月が一番なのですが、今回は暴挙10連休ということで、帰省してくる人たちも多いのでしょうか、人も車も普段よりはるかに多い印象です。 道路…

「人はなぜ集団になると怠けるのか 『社会的手抜き』の心理学」釘原直樹著

世の中の仕事や作業というものは、ほとんどが多くの人との共同作業です。 しかし、そこでは1+1=2となることはほとんど無く、大抵の場合はかなり効率が落ちるようです。 そこには「社会的手抜き」という現象が生じます。 様々な要因が関与しますが、やは…

西尾道徳さんの「環境保全型農業レポート」より、「世界人口の半分は化学肥料窒素で養われている」

日本では有機農業というと「安全安心」ばかりが言われる傾向が強いのですが、欧米では環境保全の観点から有機農業を推進する方向に向けられるという、本来の有機農業の意図に沿ったことが言われているようです。 ただし、それが強調されるあまり、有機農業に…

元号が変わると大騒ぎ 何も変わるわけがないとは分かっているだろうに

今日から新元号「令和」ということで、夜間にあちこちで大騒ぎがあったようです。 私はいつもどおり早く寝たのですが、どうやら帰省している孫から風邪をうつされたらしく、寝苦しい夜を過ごしていました。 朝からニュースを見ると国内全域で大騒ぎ。 元号が…