暇でしょうがないので、朝もNHKで朝ドラと「こころ旅」の放映を見るというのが日課になっております。
東京大空襲で母親を亡くし、父親は戦死したという「なつ」さんは、父親の戦友(藤木直人扮する柴田剛男)に引き取られ、ともに北海道十勝の牧場に帰り、そこで育てられて現在高校3年生というところまで来ています。
牧場の主、草刈正雄扮する柴田泰樹は、剛男の長男、柴田照男(人気急上昇中の清原翔)となつを結婚させようと言い出しますが、それになつは激しく反発。
家族ではなくなると言い張ります。(もともと家族ではないのですが)
真冬の吹雪の中を飛び出して遭難しかかるというのが今日の場面でした。
この女性アニメーターの生涯の物語には、明確なモデルはないようで、ほとんどが創作なのでしょうが、どうも違和感を覚えます。
この「なつ」さんは、わずか8歳ほどで孤児となったところで十勝の牧場に引き取られていくのですが、剛男さん以外の牧場の家族にはあまり良い顔をされなかったところ、酪農の手伝いをして働くから居させてくれと言うほどの人と描かれています。
そこまで生命力が強く、しぶとく生きられるという設定であった女の子が、10年ばかりの間家族同然に育てられたために、それが普通で既得権であるかのように思ってしまったのでしょうか。
最初に描かれていたような「しぶとい」女性なら、牧場の跡取りとの結婚などはまさに「してやったり」
これで身分は安泰、めでたしめでたしとなるところでしょう。
なにしろ、農家や酪農家の跡を継ぐというのが、ババ抜きのババとなったような現代の話ではありません。
昭和30年頃、しかもその牧場は地域でも有数の大牧場です。
しかも、もしも跡継ぎ息子との結婚を断り、その息子に嫁さんが外からやってきたら、それこそ本人の居場所はなくなり、出ていかざるを得なくなるでしょう。
どうも、人間関係の描写にアイドル並みの主人公におもねったような忖度が働いたようです。
もう見るのはやめようかな。