これは非常に軽い読み物です。
歴史に題材を取ってはいますが、それを現代のいろいろな事物に当てはめて、どのように感じるかを投げかけるものです。
しかし、歴史上の人物にしてみればその事例の受け取り方はその時代相応のものでしょうが、現代に翻訳すれば確かにそういった感覚で受け取ったことでしょう。
その意味では歴史と言うものを非常に身近に感じさせ、それを通して正確な歴史の把握に通じるという意味もあるのかもしれません。
といった固い話をするようなものでもないのですが。
表題の武田信玄と上杉謙信の塩にまつわる話と言うのは真偽はともかく有名なものですが、それを著者は次のようにパロディにしています。
もしも信玄がQ&Aサイトに投稿したら。
Q&Aサイトと言うのはインターネット上で質問を投げかけると不特定の答えが返ってきてその中から「ベストアンサー」といったものを選ぶというものです。
「敵に塩を送ったが不在だった」
ということで、よく宅配便などで用いられる「不在連絡票」のパロディーが載せられています。
上杉謙信様からの食品(塩)をお届けに参りましたがご不在でした。ということです。
良くできている不在票です。
さらに、塩を送られたあと信玄から謙信への「お礼メール」もこういったものだろうというものが出されています。
まあ他愛のないものですが、結構おもしろいとも感じました。