中国では石炭火力発電が盛んに行われ、その安い電力を使って多くの工業製品(特に太陽光パネル)が安価で作られて世界でのシェアを上げていると言われます。
その中国の石炭火力発電の状況をキャノングローバル戦略研究所の杉山大志さんが報告していました。
cigs.canonまず、現在の発電量だけを見ても大変なものですが、現在でも旺盛に新規発電所増設を進めているということです。
なんと2023年度の1年間だけで47ギガワット(4700万kW)が増設され、それは日本の現在の石炭火力発電総発電量の55ギガワットに相当する、つまり日本1国分を一年で新たに始めているということになります。
石炭火力発電の廃止に向けた動きが遅いということで日本は欧米(特にヨーロッパ)から批判され、化石賞とやらを連続して贈られており、日本のメディアなどからも「日本は世界から孤立している」などと書かれていますが、中国の実態をどう見るのでしょうか。
その中国が世界の製造業を席捲していることも見逃せません。
その一因が安い電力でありそれを可能にしている石炭火力発電なのでしょう。
なお、上記記事の各国での石炭火力発電の新設状況をみても、中国ほどの大量ではないもののインドネシアやインドも続いています。
それに続いてベトナム、バングラディシュ、パキスタンとアジア各国の石炭火力発電の増強は明らかでしょう。
こういった国々はヨーロッパ主導の石炭火力廃止、再エネへの移行などという動きに同調はしていないということでしょう。
「日本が世界から孤立」というのは全くの誤りであり「日本はG7から孤立」そして「G7は世界から孤立」というのが本当のところなのかもしれません。
もう日本も欧米の価値観から抜け出して、中国やロシアの率いるグローバルサウス諸国連合に入れてもらう方がよいのでは。