COP27がエジプトで開幕するとか。
焦点の一つが石炭火力発電の廃止を進めることを途上国が了承するかどうかです。
特にEU各国が積極的に進めてきた石炭火力の早期廃止ですが、前回のCOP26では中国とインドが「途上国の立場を代弁し」妥協案を模索したということです。
中国がもっとも石炭火力の利益を享受していたためだと思いますが。
しかしロシアのウクライナ侵攻で状況は一変し、EU各国でも石炭火力発電を再開せざるを得なくなったとか。
「脱炭素」と言いながら、天然ガスに頼った政策を進め、それにもかかわらず石炭火力を悪者扱いして早期廃止と言っていたEU各国の偽善的行為が明るみに出ただけでしょう。
本当に「脱炭素」を進めたいのなら、天然ガスも含めて化石燃料の使用は早期に廃止するとしなければならないのですが、それは棚に上げて二酸化炭素排出量の多少だけで推し進めようとしたこと自体が矛盾だらけだったということでしょう。
太陽光発電や風力発電などの低効率、コスト競争力の低いことは言うまでもなく、それを進めるために石炭火力発電を止めさせようとするなら相当な対価が必要となりますが、それなしに途上国に押し付けようとするなら脅迫せざるを得ません。
それがどのような手段となるのか、あるいは飴と鞭使い分けになるのか、いずれにせよ不自然な行動となるのは当然でしょう。
このような中でのCOP27開催ですが、おそらくは気候変動による気象災害というところを盛大に宣伝しながら二酸化炭素削減を声高に叫び、一方でウクライナ戦争による天然ガス入手困難をどうしようという、主張もバラバラのまとまらないものになりそうです。
強硬に主張してきたEU各国がエネルギー不足の冬を迎える不安を隠せないのではどうしようもないでしょう。
さらに中国インドが真意を隠す必要もなくなり、正体を表わすような主張をするかどうか。
それを止める力も欧米にはなくなりかけているのかもしれません。
そうなれば、日本も遠慮なく石炭火力存続をできるかも。