AF2といえばかつて豆腐や魚肉ソーセージなどにも殺菌料として使われていた添加物ですが、発がん性があるとして使用禁止となりました。
しかしその発がん性を確認した試験には多くの疑問があったという報告があったそうです。
FOOCOM.NETで斎藤勲さんが紹介していました。
AF2は殺菌用の食品添加物として1965年に認可されましたが、当時は多くの添加物が発がん性などの有害性を疑われ、様々な検討がされている時期でした。
細菌を用いた変異原性試験で、Ames testというものがありますが、その最初の試験ではAF2は陰性であったものが、その後高感度のサルモネラ菌株が開発され、それで試験したところ陽性となったというものです。
またマウスにAF2を大量投与する試験ではマウスの前胃にガンが発生したということで、合わせて発がん性ありという判断で1974年に使用禁止となりました。
しかし、これらの試験の過程についてまだ見直しを進めていた人がいたようです。
国立医薬品食品研究所の本間正充所長によれば、Ames testでは用いたバクテリアのニトロ還元酵素により陽性となることがあるが、この酵素を持たない哺乳動物の場合は変異を誘発することは無いそうです。
また、マウスによる試験も、最近開発されたすべての遺伝子の突然変異が検出できるように遺伝子変異を組み込んだトランスジェニックマウスを用いたところ、AF2によるガン誘発は見られなかったということです。
50年前という時期に実験手法も未発達の中で発がん性物質を何とか検出しようとした当時の努力は無視できませんが、現在の知見によれば妥当ではない場合もありそうです。
1974年といえば私が理科系の大学に進学した頃です。
当時の雰囲気も、この物質も発がん性?といった報道に次々と驚くといったものでした。
その中には今回のAF2のように濡れ衣で葬られたものもあったのかもしれません。
ただし、問題はその当時の意識がそのまま現在まで残っていることでしょう。
このAF2に関する事実の報道も一般メディアでは一切行われておらず、相変わらず「AF2は発がん性」というのがいわゆる専門家にも刷り込まれています。
専門家と言えど、新規の知識を広く取り入れて日々見直しをしていく必要があるのでしょう。