爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「波のはなし 科学の眼で見る日常の疑問」稲場秀明著

「波」という物理現象は様々な面から私たちの周囲で影響を及ぼします。

振動するものが電子か、空気か、水か、大地かといった違いはありますが、それぞれ光、音、海の波、津波地震といったものとなります。

そういった波ですが、その実体というものはさほど理解されていないようです。

そこで各項目について基本的な解説をされています。

なお、地震も波としては地震波が関係するだけですが、それでは理解が難しいためか、地球の内部構造から地震発生のメカニズムといったことから解説されていますが、もちろん「波」としての本格的問題である地球内部を地震波で解明するといった話題も十分に説明されています。

 

電波と音波の違いといってもあまり意識されることは無いかもしれませんが、振動するものが電界か大気かというところで大きな違いがあり、同じ振動数といってもその波長ははるかに異なるということは言われてみればそうだったなと思うところです。

そのため、電波は宇宙のどこにでも伝わりますが、音波は大気中しか広がらないという違いがあります。

 

波には縦波と横波があるということは、地震の際も解説されるのである程度は知られていることかもしれません。

しかしよく目にする水面波、すなわち海面などで見ることのできる波は縦波でも横波でもないそうです。

媒質の振動方向と波の進む向きが同じ波は縦波、垂直な波は横波なのですが、水面で風によっておこる水面波というものは水そのものが動くわけではなく、水はその位置で円運動をしています。

そのため波の進行方向と水の動きとは同一方向でも垂直方向でもないので縦波でも横波でもないということだそうです。

 

超音波は現代では様々な応用がされておりその範囲は工業から医学まで広くなっています。

情報信号への応用としては、水中通信装置(ソナー)、魚群探知機、非破壊検査機、

医学では超音波診断、工業用途として超音波洗浄、超音波溶接、超音波加湿器などがあります。

多くの恩恵を受けているということが分かります。

 

波というものが現代社会には欠かせない要素となっているということが分かります。