内田樹さんは著書の韓国での翻訳発売も多いためか、韓国の人々との交流も盛んなようです。
今回は、韓国の地方移住者の方々が来訪し面談したということで、そこで話した内容です。
韓国では合計特殊出生率が0.78と日本よりはるかに人口減少への動きも強いそうです。
さらにソウル近郊に人口の50%以上が集中するなど、こちらも日本より早く一極集中が進んでいます。
そんな中で、地方では過疎化が進み、そうなると行政サービスも滞りがちとなり、地方での暮らしが成り立っていかないようになる、いや仕向けられるというのは日本も同じでしょう。
内田さんは都市への一極集中は資本主義の延命のために起きていることだと考えています。
資本主義初期にイギリスで行われた「囲い込み」を資本主義末期の現在に行おうとすれば、それは都市への集中しかないだろうということです。
それに対するには地方移住があるのかどうか。
韓国でも日本でも行政サービスの高コスト化という脅しでそれを妨害しようとしています。
しかし行政とはもともと弱者のためのものではないか。
強者や富裕者は行政サービスなど必要としません。
要るものは買えばよいのですから。
そうなれば、いかに非効率でも行政を保っていくべきものなのか。
内田さんは韓国からの来訪者の地方移住を励まして終わったそうです。
さて、色々と感じることもあるのですが、韓国でソウル近辺への人口集中というのは、北朝鮮との軍事衝突などが発生した場合に非常に不利なんじゃないでしょうか。
しかもソウルはかなり北に近いし、あっという間に大多数の国民が被害を受けて終わりということにもなり兼ねないように思います。
軍事的に脆弱というのは日本もそうですが、韓国はそれ以上かもしれません。
韓国はとめどもなく一極集中に向かいそうですが、日本では自民党支持層がまだまだ地方が優勢というのはどうするのでしょうか。
都市部でもかなり自民党支持が高くなってはいますが、まだまだ自民党の票田は地方でしょう。
これほどまでに地方を弱体化させてきたのにも関わらず相変わらず自民党支持というのも呆れたものですが。
それとも今後あからさまな都市部優遇を打ち出しても大丈夫と見極めればそれが始まるのでしょうか。
まあ都市部集中でも何にも起きなければ良いですが。
韓国との一番の違いは地震・津波・火山噴火の危険が日本ははるかに大きいということです。
戦争の危険はあちらの方が少し高そうですが。
しかもプレートテクトニクス上、3枚のプレートが押し合うという世界でも稀に見るすごいところが関東です。
いずれは地震などが起きそうですが。
その時に国家破綻すれば多額の国債もチャラにするというのでしょうか。