爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

スペインの過疎地域の報道に日本の現状を思う。

NHKの朝の番組で、スペインの過疎地域についての報道がありました。

検索してみるとどうやら少し前にBSで放送されたものを再度流したもののようです。

jcc.jp

このBS放送の内容とほぼ一緒のものでした。

 

スペインの地方の過疎化は日本よりさらに激しいものらしく、無人となった村も数千か所もあるそうです。

残っているところでも人口は激減し、公共サービスもほとんどない状態になっています。

そのような村で少年が事故で大怪我をしたのですが、救急車もほとんど動かずにかなり長い時間が経ってようやく病院に搬送されたものの少年は死亡しました。

ところが、その少年の臓器を移植する手続きをしたところ都会からすぐにヘリコプターがやってきたということで、周囲の人々は落胆しました。

 

このような状況を問題視した過疎地域在住のトマス・ギタルテ氏は全国の過疎地のデモを実施し、さらに下院議員の選挙にも当選して過疎地対策の徹底を政府に訴えているそうです。

そのような運動を政党化し、「空っぽにされたスペイン」という政党名で活動を始めているとか。

 

ニュースではここまででしたが、そこから日本について考えました。

 

日本も地方の過疎化は進み、どこも消滅の危機を感じるほどとなっています。

ところが、過疎化が激しい地方であるほどその支持政党はほぼ自民党です。

これは現在だけでなく過去から延々とそうであり続けました。

自民党がその前身である保守政党時代から常に「地元のため」を最大のスローガンとして票を集め続けました。

しかし、その間の政治は常に「大都市集中」「大企業優先」の政策を取り続けました。

そして大票田である地方には少しばかりの公共投資や農業補助金を与えて満足感を感じさせるだけでした。

国会議員の選出方法の見直しで地方の議席が少なくなるたびに「地方の声が届かなくなる」などと言っていますが、そんなもの昔から無かったというのが本当のところでしょう。

それに対し、「本当の地方政党」を作るべきだと以前に書きましたが、それが「空っぽにされたスペイン」と同様に「空っぽにされた日本」ということでしょう。

本当に地方の声を国政に届かせたいのであれば、自民党など(野党も同様でしょうが)既成政党に頼ることはできません。