爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

代替肉は動物肉を食べるよりは良いのかもしれないが、問題は大きい

「代替肉は要らない、藻を畜産飼料に」などという変なニュースがあったので、批判的に紹介しましたが、とはいえ「代替肉」というものもやはりかなり問題のあるものです。

 

代替肉として研究が進められ開発されているものは、多くは大豆や小麦のタンパクを加工して肉のような食感となるように工夫されているものです。

(なお、細胞培養で作り出すという夢のような話もありますが、これはほとんど夢のままでしょう)

 

一番進んでいるのは大豆から作り出すもので、実用化され発売されているものも多数あります。

性状も食感も動物肉と極めて似通ったものに作られており、「全然わかんなーい」などという紹介テレビ番組も何度も見たことがあります。

 

動物肉の需要というものは根強く、これまで食べ飽きるほど食べている人たちでも止めようという気にはあまりなれないのに加え、どうしても価格が高いことからあまり肉を食べられなかった人たちも肉食の誘惑は強いようです。

 

しかし、食肉の生産にはその肉の重量の数倍の穀物を必要とし、さらにその動物の生育期間中に淡水を相当量必要とするということで、環境へ与える悪影響は大きなものです。

 

これを大豆などに置き換えることができたら、相当な環境負荷の緩和になるのではないか。

 

確かにその通りです。

「動物肉を食べる」よりは「大豆の代替肉」を食べる方がはるかに環境には良いことになります。

 

ただし、大きな疑問があります。

「大豆をそのまま食べればはるかに環境負荷の緩和になるんじゃないの」

 

大豆ミートの製造法についてメーカーの方が解説した論文がありました。

https://secure01.blue.shared-server.net/www.jsfe.jp/journal/kaiho/22/2202/k5.pdf

 

大豆はかなり多くのタンパク質を含みますが(33%)油脂分を抜いた脱脂大豆を加工することにより大豆たんぱくを取りだすようです。

 

代替肉とするにはそこからさらに様々な加工法で食感を作り出していくのでしょう。

 

そのような加工を加えるためか、出来上がった大豆ミート製品はどれもかなり高価なものとなります。

 

不思議なのは「なんで大豆そのまま、あるいはほとんど丸のままの加工食品(納豆など)で食べないの」ということです。

大豆ミートを作り出すためにはかなりの廃棄物も排出しているはずです。

 

欧米人が大豆ミートを食べたがるという理由は分かっているそうで、彼らはあの大豆の風味が苦手なのだとか。

そのため加工して肉のような味と食感を付けなければ食べる気がしないそうです。

しかし、日本人はまったくそのようなことはない(はず)です。

 

日本人なら納豆を食べんかい。というところでしょう。