東洋経済オンラインで、経済学者の野口悠紀雄さんが「円安のもたらした惨状」という記事を書いていました。
いまだに「日本は輸出立国」だという神話を信じ続け、円安の方が良いと思う人がいるようですが、実際にはこれで国力が落ち続けているという、極めて常識的な話です。
中国の工業化(世界の工場化)に対抗する必要があった時に、日本は「安売り戦略」を志向し、それに対し韓国や台湾は中国より高品質のものを作って高く売る方向を目指したということです。
それが、現在の日本の停滞を招いたということです。
ただし、私もよく分からないところなんですが、「安売りを目指すから円安になる」といった単純な話ではないと思いますし、為替の落ち着く先はどのような力学で決まって来るのか、それが非常に不思議なところです。
ただし、円安で儲かるところ、円高で儲かるところというのははっきりと分かれているのは当然です。
それが政権への応援度の違いによって決まって来るのか。
まさか、自らのお友達が多いところを儲けさせるために円安に誘導するなんていうことが本当にできたかどうか、それも分からないところですが。
とにかく、GDPを見てもその中で貿易輸出額の占める割合が非常に低いという日本ですから、円安に向かえば国全体としては大損をするというのは理解しやすい話です。
とはいえ、それでこの先「差別化、高品質化」などという方向にすぐに転換できるわけも無いとは思いますが。