何冊かの著書を読んだこのとのある野口悠紀雄さんですが、東洋経済オンラインに記事を書いていました。
その題は「日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない」
これは経済が低迷していたからとか、非正規雇用が増えたからといった表面的な理由ではなく、もっと根本的なものがあったということです。
日本の賃金はドル換算ではアメリカの半分、OECD各国と比べても最も低いグループに入っています。
アベノミクスが始まる前にはOECDの中でも5位だったそうですが、急激に下落しました。
円安になったためと言う理屈が付けられそうですが、実際には「ビッグマック指数」という、ほぼ世界各国に店舗を持つマクドナルドハンバーガーのビッグマックの価格で比較するという方法があるのですが、それで見ても日本のビッグマック価格はかなり低く、それと連動して賃金もかなり低いというのは裏付けられます。
アベノミクスでは半ば意図的に円安に向けられ、それが賃金レベルの下降にもつながりました。
野口さんはそれこそがアベノミクスの本質であると見抜いています。
円高でも輸出を増やそうとすれば、技術革新で製品の魅力を高めて売れ行きを増やさなければなりません。
しかしそれを避けて安易な道をたどろうとし、円安にして賃金を国際比較で低下させることで株価上昇につなげたというものです。
私もアベノミクスの本質は株価上昇だけだと主張してきました。
その部分は野口さんと一緒ですが、それが賃金低下を主としたためとは思わず、それは付随的な現象だと思っていました。
まあ、その違いはありますが、アベノミクスが犯罪的手法で成果があるように見せかけたということは確かでしょう。