爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

コロナ対策の拙劣さで政権批判をする人が多いが、ではどうすれば良いのか。

PCR検査を増やすと言いながらさっぱり増えないとか、第二波に入っているのは間違いないのに経済収縮を怖れて何も言えないとか、さらに振り返ればアベノマスクの醜態や給付金をめぐるドタバタ、事務費用のお友達への注入など、政権の対策がめちゃくちゃなことを批判し、政権自体も批判する人が多く居ます。

 

まあそれも一々ごもっともなんですが、それではどうすれば良いのか。

そこはかなり難しいものがあるでしょう

(なお、これで別に政権擁護をしようなどという気は全くありませんので誤解ないよう願います。)

 

1.PCR検査を増やし隔離人数を増やすのか。

2.GOTOキャンペーンはどうするのか。経済活動を促進できないのか。

3.休業補償などもっと増やすのか。

 

1.PCR検査を増やし隔離人数を増やすべきなのか。

PCR検査を増やすべきだという意見はかなりの人が発しています。

ちなみに、現在の検査能力は下記の厚労省サイトによれば一日あたり33000件とか。

それに対し実際の実施人数は5200人ほどとなっています。

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最初の頃と比べればかなり増えたとはいえ、世界各国で1日当たりでも数万から数十万実施が当たり前というものと比べるとはるかに低い値です。

 

PCR検査機器自体は日本でも数多いはずですが、おそらく検査の公定法というものを厳格に順守しなければ結果が認められないということがあり、広く民間で検査と言うわけには行かないのでしょう。

 

さて、検査数増やすべしという論者たちも、検査をして陽性である人は当然ながら無症状、軽症状でもすべて隔離すべしということを言いたいのでしょう。

そうなると、今でもホテル借り上げ数が足りないと言っているのが、さらに不足することになります。

ほとんど自宅待機では、感染拡大を抑えることは難しいでしょう。

 

2.GOTOキャンペーンはどうするのか。経済活動を促進すべきなのか。

経済を何とか上向かせなければならないとして(本当の理由はともかく)ほとんど緊急事態寸前であるにも関わらずGOTOトラベルキャンペーンは動かし始めました。

 

そのせいかどうか、早くも地方に感染者が拡大、あちこちで感染者急増しています。

 

即刻GOTOキャンペーンは中止、県境を越える移動も自粛すべしという論者が多いようです。

 

これは観光がらみの産業に強く結びついたものですが、他にも様々な産業に金を廻そうというキャンペーンが企画されています。

 

まあ、このままでいけば多くの産業が壊滅しかねないという危惧は当然でしょう。

ただし、ちょっと人が動けばすぐに感染者が続発するのが現状です。

これでそれを助長するキャンペーンは危険でしょう。

 

特に、医療状況が劣悪な地方へ感染者が出かけるような事態は、東京とは違った危険性があります。

与論島では入院もできず本土へ患者をすぐに輸送しているということです。

あちこちで同様の現象が起きるでしょう。

 

3.休業補償をどうするのか。

営業自粛をさせて感染を抑え込もうという手は少しは効果があったように見えました。

これは日本ばかりでなく各国の都市封鎖も同様です。

しかし、他の感染症であればしばらくじっとしていれば消えてくれた病原体も、このウイルスはなかなかしぶといようです。

たまらずに封鎖解除をしてしまえば、また最初と同じように感染が広がっていきます。

なお、日本の場合の休業補償はそのあまりにもまずい事務処理で実際の給付が遅々として進まないというのも大きな問題ですが、金額も少なすぎてほとんど営業継続の足しにもならない程度です。

新宿のホストクラブなど、一人の客が一晩に使う程度の金額が一月分の補償額というのでは、アホらしくて手続きもする気がなくなるでしょう。

かと言って、彼らの稼ぎを丸々補償していたら東京都予算などあっという間になくなります。

 

 

さて、それならどうすればよいのか。

とはいえ、私にもこの答えは出せません。

一つの可能性は、このウイルス感染症は普通の風邪並みだといって何もしないということです。

これを仮に「トランプ・ボルソナーロ路線」と言っておきます。

すでにもう安倍政権はここに踏み込んでいるのかもしれませんが。

(なお本家のトランプはマスクをし始めたということで、腰折れかもしれません)

 

「普通の風邪」などというものは本当はないのですが、まあそういったイメージのものとして取り扱おうとしましょう。

「普通の風邪」よりかなり高い確率で重症者と死亡者が出るというのが困ったことです。

しかし、それも仕方ないこととして目をつぶらなければいけません。

そのうちに、ワクチンや治療薬ができてきて治る病気になるのでしょう。

 

もう一つはとにかく検査を広く行って、陽性者はすべて何らかの施設に隔離。

そうしておいて陰性者は通常の経済活動を行なってよいことにすることです。

全国では隔離施設が何十万人分か必要でしょう。

またもしもPCR検査済証明書などを経済活動可能のお墨付きにするのなら、検査能力も数千万は必要です。

一回だけでは意味がないので、毎週とか毎月とか検査をさせて、その陰性証明書がなければ出歩けないということにすれば安心かもしれません。

 

こういった話は「極端な状態を空想しただけ」でしょうか。

私には近い将来どちらかの方策が採られるような気がしますが。

なお、簡単なのはもちろん前者のトランプ路線です。