爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

新型コロナウイルス感染症制圧には「スウェーデン式」が良いのか「中国式」が良いのか。田中宇さん「国際ニュース解説」より

田中宇さんの「国際ニュース解説」、このところ新型コロナウイルス感染の話題ばかりですが、今回はその制圧にむけて「スウェーデン式」が良いのか「中国式」が良いのかという話です。

tanakanews.com中国式というのは、徹底的に都市封鎖を行い感染者の接触を防ぐことで感染可能なウイルスを無くすことです。

スウェーデン式というのは「集団免疫」を獲得するのを待つというもので、重症者の治療は行うのでしょうが、行動制限などは行わないというものです。

イギリスも最初はこちらと言われていましたが、さすがの被害の大きさにあきらめたようです。

 

どちらが良いということは言えません。

感染症の原因ウイルスの性質によるものでしょう。

SARSやMERSのように感染力が弱く、病原性が強いものは中国式の徹底封じ込めでなければ効果が出ないでしょうし、インフルエンザでは事実上スウェーデン式しか取りようがありません。

 

そこで、今回の新型コロナウイルスCOVID-19はどちらが効果的かということになります。

 

田中宇さんの見方では、感染者は検出されている数の数十倍にのぼり、すでに多数の感染者が存在しているために、事実上は集団免疫獲得に近づいており、無理な行動制限はすでに不要となっているというものです。

日本政府はさらに行動制限を強めなければ感染拡大に至るという立場での政策を取っています。

 

さて、どちらがより現時点で判明している事象に適合しているか。

これは、どちらかが正解でどちらかが間違いと言うことではありません。

 

どちらの立場から見ても盲点となっているのは、このウイルスが完全に消えるまでに長期間かかる人が多いということでしょう。

ウイルスの検出には欠点も多いPCR検出法ですが、それで何度も陰性となって退院してもその後に再発する患者が続出しています。

再感染するとは考えにくいので、やはり完全に体内から消えていないものが再発するのでしょう。

これがあると、行動制限によるウイルスの消失を待つという方策は非常に社会に与えるダメージを激しくしてしまいます。

ただし、集団免疫獲得派にとっても、本当に一度感染してしまえば抗体を獲得してもう大丈夫と言えるのかどうか、そこに疑問が生じるという、この主張そのものを崩しかねない事態となります。

 

どうせ完全に消失させることはできないのなら、もう放っておくというのも一策かもしれません。

トランプのようにいくら人が死んでも「我々は勝利する」と言い続けるだけの神経の図太さがあれば、その方が得策でしょう。

あの坊ちゃんにはそこまでの神経はなさそうですが。