爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

忽那賢志さんの記事より「行動制限緩和についての2つの不確定要素」

いつも大変参考になる忽那賢志さんの記事ですが、今回は「行動制限緩和に関して2つの不確定要素」というものです。

 

news.yahoo.co.jp政府は9月9日に行動制限緩和についての考え方を示しました。

徐々に新規感染者が減少しており、おそらくは選挙を睨んでの有権者の不満の解消というのが意図でしょうが、それが無事に軌道に乗るためには多くの条件が必要であり、不確定要素もあるということです。

 

その一つがワクチンの感染予防効果が徐々に落ちることです。

 

海外からの情報も徐々に入っていますが、ワクチン接種後の中和抗体の減少がかなり速いもののようです。

ミネソタ州では2021年1月時点ではアルファ株が、7月時点ではデルタ株が主流でしたが、1月から7月にかけてモデルナワクチンでは感染予防効果が86%から76%に、ファイザーワクチンでは76%から42%に低下しました。

ただし、これは忽那さんも指摘しているように、本当にワクチンの効果が「経時的に落ちるのか」あるいは「デルタ株のためか」ということがちょうどデルタ株の急速な広がりの時期と調査の時期が重なったために、はっきりとは結論付けられないようです。

 

海外ではブレークスルー感染という、ワクチン接種者の感染が起きており、それがこのためなのかどうか、問題となるところでしょう。

 

もう一つの不確定要素が、新たな変異株の出現です。

 

デルタ株の出現でもかなり感染の様相が変わっていますが、今のところはワクチンの感染防御の基本的な部分は変化がないようです。

しかし、変異が進めばそこに大きな違いが出てくる危険性も十分に存在します。

 

いつもながら、的確な記述で非常に参考になります。

ワクチンの効果と言うものも、一生に一回打てばよいというものから、インフルエンザワクチンのように毎年打たなければならないというものもあり、コロナワクチンがどういうものかというのは分かりません。

それがウイルスの性質によるものかと思っていましたが、どうやら今回のファイザー・モデルナで初めて採用されたmRNAワクチンであるということも関わっているようです。

こうなるとブースター接種ということになるのでしょうが、ワクチンの供給量がまだ不足している中でそういった手段に出るということは、さらにワクチン格差の拡大につながりそうです。

 

変異株もこれまではほぼ「感染力の強化」というところに留まっていたように感じますが、「ワクチンの効果」のところまで変異が及ぶかどうか、なんとも言えないところでしょう。

しかし、本当にワクチンが行き渡ると今度はワクチン耐性というものが変異株のメリットとなり、そういう変異株が選択されることになりますので、急激に進む可能性もあるのでしょう。

 

行動制限緩和策というものも慎重に準備しなければならず、ある程度余裕をもって考えていく必要があるのでしょうが、それを国民の不満をなだめる用途に使われているのではないかという疑問があります。

それも必要なことかもしれませんが、まだまだ感染防止の方策の方が重要な段階ではと思います。