かつての自民党は派閥というものがあたかも党内の一つの政党のように振る舞っていたように感じていましたが、今回の総裁選挙に向けての動きなど、まったく統制も取れないように見えます。
そもそも、衆議院が一区で4‐5人の議員を選出するという中選挙区制であったため、同じ自民党からでも同一選挙区で何人も当選できたことから派閥の力も強くなったと思いますが、小選挙区制に変われば総裁を中心に党本部に力が集中し、派閥も実質的には意味が無くなると感じます。
こういった事情について倉山満さんの解説を読みました。
やはりかつての派閥と言うものの印象とは全然違うものになってしまったようです。
現在の派閥は以下の通り。
細田派=形式的な会長は細田博之。実質的な領袖は安倍晋三元首相。
麻生派=麻生太郎副総理財務大臣が領袖。
竹下派=竹下亘会長が引退声明。
二階派=二階俊博幹事長が領袖。
岸田派=岸田文雄元外相が領袖。
石破派=石破茂幹事長が領袖の座を放り投げた。
石原派=石原伸晃元幹事長が会長。でも実際に仕切っているのは森山裕国会対策委員長。
従来の意味での派閥というのは、岸田派と石破派のみだというのが倉山さんの意見です。
細田派は数は一番多いもののまとまりは全くないようです。
今回の総裁選でも岸田支持と言っていたのが、いきなり安倍が高市支持を打ち出しました。
高市は一度細田派に入りながら後足で砂をかけて出て行ったので、よく思わない人も多いでしょうが、実質領袖の安倍が支持を言い出すというおかしな状態になっています。
麻生派は元の河野派、しかし河野太郎が総裁にと言ってもすんなりとは行かない。
バラバラになりかけているようです。
二階派はこれまではまとまりが良かったのが、今回は言うことを聞かないとか。
これも二階の力が陰りだしたということでしょうか。
田中角栄の頃の田中派というのは漏れ聞くうわさだけでもすごいものだったようですが、そういった状態が良いはずもないものの、今のような混乱状態も困ったものです。