著者は長年英語教育に携わるとともに、応用言語学の理論構築を目指したということです。
日本人の英語学習者の誤りやすい点もデータを取り、初級者、中級者、上級者それぞれで間違いやすい部分も分かってきました。
それはどういったものか。
まず動詞の使い方、特に文型ということです。
補語を取るのか、目的語を一つ取るのか、二つ取るのか。
さらに動詞が自動詞か他動詞かということも勘違いしていることが多いようです。
また、日本語では時制ということにあまりこだわりませんが、英語では非常に厳密でこれをいい加減にするのが日本人学習者に多い間違いです。
また名詞の使い方でも、単数複数の区別、冠詞というものも日本語にははっきりとしたものがないので分かりにくいところです。
また似たようでちょっと違った単語の使い分けというのも、上級に向かって行くにつれて重要になっていきます。
そういった観点から、日本人学習者が間違えやすい英単語を101選び、各級別に示しました。
なお、私はその101のうち、正解が分かったのはほんの数個でした。
次の文の間違っているところは?
I doubt that he stole it. (私は彼がそれを盗んだのではないかと疑っている)
間違いはdoubt 正しい単語は suspect
何故なら、 doubt は「違うのではないかと疑う」に対し suspect は「そうではないかと疑う」
次の文の間違っているところは?
We all enjoyed listening to classic music. (私たちはみなクラシック音楽を聴くことを楽しんだ)
間違いはclassic、正しくはclassical
日本語で「クラシック音楽」と言ってしまうのでついやり勝ちですが、classic という英単語は「最高級の、典型的な」といった意味で使われるため、この意味では使われず、classicalが使われるそうです。
次の文の間違っているところは?
She claimed that the groceries she bought were partially dameged. (彼女は購入した食料品のいくつかが傷んでいたと文句を言った)
間違いはclaimed 正しくは made a complaint
日本語でも苦情を言うことを「クレーム」と言うために間違ってしまいます。
claimの意味は「根拠を示し、当然の権利として物・事・支払いなどを要求する」ということです。
「苦情・文句を言う」という意味ではほとんど使われません。
まあそれほど英語に自信を持っていたわけではありませんが、やはりダメかという感慨を持つばかり。