爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

コロナウイルス感染者数の増加は続いているが、重症者はさほど増えないので緊急事態ではないと言うのは正しいのか。

全国で新規感染者数が増加していますが、安倍首相は重症者数は増えず病院の病床使用率もあがらない(地域によってはそうではないが)のでまだ緊急事態ではないと語りました。

新規感染者数が増加しているのも、PCR検査実施数が増えているからだと言い張っていますが、この辺は正確ではないようです。

厚労省が出している検査実績の集計表があります。

 

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一週当たりの数字ですが、7月12日から18日までの週で10万余り。

その後は1日ごとに書かれていますが、7月29日の2万5千余りというのが最高でしょうか。

集計はされていませんが、日曜から土曜までの1週でみたとして7月26日から8月1日までで約14万ですので、検査数が増えているのは確かでしょう。

 

ただし、相変わらず一般の人が「ちょっと調子が悪いからPCR検査をやりたい」と言ってもそれはできないようです。

症状があってかなり疑いが濃い場合でなければ検査をすぐに受けるわけには行きません。

それでは、「検査で陽性であることが分かったが無症状または軽症状がほとんど」と言われているのはどういう人なのか。

 

上記の表には「自己負担で念のため受けてみた人」も含まれているものと考えられます。

表中の「4.民間検査会社」での実施分にあるはずですが、例えば8月3日実施分の民間検査会社数の10394が総数ですが、その下にある斜体数字の8506が「医療機関からの受託分で保険適用」とされている数字です。

してみると、その差分の2000ほどがそれ以外、すなわち自己負担実施分かと思います。

 

どうやら、これは「濃厚接触者の確認検査」で見つかる人のようです。

 

新規感染者として見つかった人はその周辺で「濃厚接触」をした人々を探しだし、その検査を行います。

 

これが、感染流行初期の混乱期ともっとも違う状況であるようです。

 

3月4月の頃には、「濃厚接触者」であってもその全部が検査できるわけではなく、かなりの症状が出た人だけしか検査できない状態でした。

ところが現在は広い範囲の濃厚接触者の感染確認ができるようになり、そこで発見される感染者が多数であるということのようです。

 

ちなみに、検査の陽性率というのが問題視されることもあります。

これを、日本経済新聞がまとめているサイトから引用してみます。

vdata.nikkei.com

この中に陽性率という表がありますが、東京都だけのもののようです。

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5月末には1%未満まで下がった陽性率ですが、また徐々に上昇し8月7日に7%となっています。

 

これも過度に重要視する人も居ますが、結局のところ「濃厚接触者」というかなり感染した確率の高い人ばかりを狙って検査していれば高くなるのは当然のことでしょう。

 

結局のところ、新規感染者の発見数が以前と比べて非常に高いというのは、この辺の「濃厚接触したけれど症状が出ていない」人を検査するかどうかと言うところが一番効いているようです。

 

それでは「重症者が増えていない」のはどうしてか。

これには多くの要因があると考えられます。

首相の言うように、まだそこまで事態が悪化していないからだとも言えます。

また医療機関や行政などの対応が少しは上手になったということもあるでしょう。

ウイルスが少し変異していることも関係しているかもしれません。

 

しかし、同じ尺度で捉えることができないとしても、やはり新規感染者が増えているのは間違いなく、また高齢者や地方のこれまで感染が広がらなかった地域の人に感染した場合は重症化が避けられないでしょう。

やはり、きちんとした政府の対応が必要となります。

もうやる気がないのならさっさと首相も交代すべきでしょう。