消費税増税まであと1週間を切り、軽減税率やキャッシュレス化推進ポイント制度など、とても増税と同時にやるべき施策とも思えないおかしな制度について、その矛盾点や不都合な問題についての報道が相次いでいます。
今頃取り上げても遅いでしょ。
せめてそれが発表されたらすぐに取りかかればまだ直す可能性はあったものを。
とはいえ、一応その報道から取り上げてみましょう。
昨日のテレビでやっていたのは、「本みりん」についてです。
今では味醂を飲むという人はいないでしょうが、江戸時代には味醂も飲料として飲むことがありました。
だからというのではないのですが、現状の酒税法では味醂は酒として扱われています。
そのため、今回の「軽減税率」からは外れてしまいました。
10月からは消費税10%がかかります。
ただし、知っている人も多いでしょうが、「みりん風調味料」というものがあります。
これは、本格的な味醂の製法とは違い、単に調味料を混ぜ合わせて作るというものですが、安価なためにそこそこ売れています。
もちろん、本みりんとは比べることもできない程度の品質です。
しかし、みりん風調味料にはアルコールは1%未満とされており酒ではなく、酒税もかからない食品扱いとなります。
したがって、今回の軽減税率でも食品扱いで8%となります。
多くの人は本みりんとみりん風調味料の違いを正確には知らないでしょうから、これも大きな混乱の基となります。
さらに、遊園地の売店で売る食品についても報じられていました。
こういった食品は、そのままその売店の周囲の椅子に腰掛けて食べることが多いでしょうが、その椅子が「売店のもの」であれば外食となり10%の消費税となります。
そのため、その遊園地では売店周囲の椅子をそれまでの売店所有の状態から、遊園地本体の所有とすることとしました。
そうなれば、そこは売店とは関係がないということになり、「持ち帰り」とみなせるということで、消費税8%とできるということです。
こんな冗談のような税金対策がまかり通るのは、税制の公正さを大きく損なうものでしょう。
この根本はこのような軽減税率という制度を作った政府の愚かさにあります。
本気で作ったとは思えないようなずさんな制度です。
「酒類」を外すなどという馬鹿馬鹿しい真似は止め、少なくとも口から摂取するものはすべて食品にしておけばまだマシ。
「外食」も軽減しないなどということをするから大混乱を招きました。
これも軽減税率にしておけば、混乱のほとんどは解消するはずです。
今からでも遅くない、こんな変な軽減税率など止めてしまえば良いだけの話です。
なお、もっと言えば、こんな変な消費税率引き上げ自体も止めてしまったほうが良いでしょう。