日本語では同じ言葉で表せることが、英語の場合は別の言葉で使い分けるという例は多いものと思います。
この本はそういった例を、「現物の写真」ではっきりと分かるように並べて示すという、楽しいものです。
写真も非常に美しいやまでたかしさんのもので、また被写体にも凝った選択がされているという、贅沢な作りになっています。
まあ、英語に堪能な方には常識なんでしょうが、結構知らないこともありました。
atlasとmap 昔から「アトラス」という言葉を聞くことはありましたが、地図帳という意味だったんですね。例として挙げられている写真はPhilips' Atlas of the Worldでした。
birdとfowl fowlなんて意識して使ったことがありません。鳥はみなbirdと思っていましたが、ニワトリ、七面鳥などの家禽はfowlなんだそうです。
candyとlollipop loliipopなんて歌でしか知りませんでしたが、棒付きの飴はロリポップというんですね。
frogとtoad toadも全然知らなかった単語です。一般にカエルはfrogなんですが、ヒキガエル(ガマガエル)だけはtoadというのだとか。
なお、「Frog and Toad are Friends」という絵本作家アーノルド・ローベルの本があるそうです。
giftとpresent どちらもよく使う単語ですが、使い分けがあったんですね。
giftは儀礼的な贈り物だそうです。
grillとroast これも知っているようではっきりとは知らなかった。grillが網焼き、roastは直火やオーブンで焼くこと。
roadとstreet 町と町を結ぶのがroad、両側に店が並ぶような賑わったところがstreet、さらに大都市の大通りはavenueだそうで。
suitcaseとtrunk これも明確な違いがあり、suitcaseは一人で持つもので取っ手も中央に一つ、trunkは二人で持つもので取手はカバンの両側に2個。trunkの写真というのも初めて見ました。
船旅の時代にはこのようなtrunkを持ち込んで旅をしたのですが、飛行機の時代になると機内持ち込みができなくなり、現在ではほぼ使われることはないとか。
言葉の守備範囲が英語と日本語で異なるということは、肝に銘じておかないと勘違いが起きそうです。