求人難が厳しくなった現在、ちょっとしたことで退職していく若者が多いと言われます。
そこにはどのような要因が隠れているのか。
それを職場で日々悩まされている経営者、管理職に向けて、コンサルタントを長くやってきた上田さんが解説しています。
せっかく入社した職場をあっという間に辞めていってしまう、かつてなら考えられないような事態が頻発しています。
そこには職場そして上司の側の問題もあり、また若者に問題がある例もあるようです。
まず最初は職場側の問題から。
相変わらず古い仕事スタイルを押し付け、パワハラセクハラ全開の上司というのも残っているようです。
あの新型コロナパンデミックの影響で一時は広まったリモートワークも徐々に元に戻っています。
リモートならいいかと思って就職した若者も出社を強制されると嫌気がさすということもあります。
特に営業職の場合など最近は用もないのに顧客を訪問などという営業スタイルは効果もなく受け入れられなくなっているのに、いつまでもそれにこだわる上司も多いようです。
次は若者側の問題。
職場というか社会の常識も欠けているような若者にちょっと注意しただけですぐ退社。
小さな会社ですが顧客への挨拶に新人女性を連れて社長自ら出かけたそうです。
相手と会ってご挨拶となっても新人はマスクを外そうとしません。
社長が隣からマスクぐらい外せと言っても全く動く様子も無し。
社長は顧客の手前、面目丸つぶれになってしまいました。
新人社員が顧客と対面のスケジュールを決め、課長部長の上司と共に訪問することにしてあったのですが、相手からの要請で面会時間を勝手に変更、自分の上司への連絡はぎりぎりまでなかったそうです。
部下に任せるのは良いにしても最低限の連絡は必須なのですが。
こういった情勢変化は色々な要因から生まれてきました。
とにかく少子化、新入社員が減り続け人手不足。社員数で一番多いのは50代というのが普通です。
働き方改革関連法、パワハラ防止法といった法律の整備も影響しました。
さらにコロナ禍で社会が大きく変化したと言えるでしょう。
それにより、若者の仕事と人生の価値観というものが大きく変わってしまいました。
現在では仕事のメールアドレスに非常に多く入って来るのが転職の誘いメールだそうです。
転職してだんだん給料もダウンしていくというのが昔の感覚ですが、今では徐々に上がっていくという場合もあります。
若者の8割は転職ということを視野に入れているということです。
それは非正規化などと言うことではなく、第二新卒と呼ばれる正社員募集もどんどんと拡大しています。
さらに自らの「キャリア」を強烈に意識するようになっています。
昔ならば一つの会社に就職するとどんな職場に配属されても我慢して勤めるというのが普通でした。
しかし今では自分のキャリアをどのように作っていくかということを考え、それが今の会社でできなければ次を探すという意識になっています。
経営者、管理者の立場であっても、若者は入社したら3年で辞めるということを想像しながら当たっていく必要があるということです。
何かまったく想像を外れた社会になってしまったようです。
早く退職しておいてよかったのかも。
なお、一つ疑問です。
このような情勢であれば、ブラック企業などに勤めて過労死などということは無くなってしまうはずですが、いまだにそういった問題は残ったまま。
もしかして、著者が見ているような職業観というものを持つ人々と、まったく違う観念を持つ人々とが分立しているのでは。
さて、今の社会にはどちらが多いのでしょうか。
