爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「難解言葉にクイズで挑戦」青木雨彦編

クイズ形式で漢字や言葉の問題を出して、知識を身に着けさせるという本はいくらでも出ていますが、これはコラムニストで有名だった青木雨彦さんの編ということで、少し趣も違うものになっています。

 

なお、本書発売は1989年ですが、そのすぐ後の1991年に青木さんがご逝去されています。

 

とはいえ、やはり本の作りは気軽な読み物風、読者の興味がつなげるような身近な話題にからめて言葉の知識を伝えるというものです。

 

たとえば、職場で入ったばかりの新入社員が間違えそうな字はどれだ。

「名儀を変更する」「遺感の意をあらわす」「無暴な行為に走る」「それは本末転到だ」といった感じです。

(分かりますよね)

 

なお、30年前の話ですがいまだに同様の問題が起きているのが「混ぜ書き」です。

取り上げられている例が「そ上好調で豊漁を期待」という文章で、これではなんだか意味が分からないと批判されています。

これはもちろん「遡上」の意味で書かれているのですが、漢字の制限の問題で使っていないわけです。

(当時は常用漢字

さらに「三井物産の所長ら致される」という文も引用されています。

これは「拉致」の意味で使ったのでしょうが、「三井物産の所長ら」が「致される」(いたされる)とも読めるため、非常に分かりづらいものとなっています。

漢字制限があるのはある程度仕方のないことですが、それならば「別の言葉をつかえ」というのが本書の立場です。

これが当然の主張だと思いますが、それは30年経っても直っていません。

 

さすがに、当時の「新語」「流行語」「若者ことば」はすでに今では古臭いというものになってしまいました。

最先端の言葉として紹介されているのが次のものです。

「hanakoさん」「ソース顔」「ボディコン」「マスオさん現象」「ディンクス」「朝シャン族」「アブラギッシュ」

時代は移り変わるものです。