爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

グリホサート多使用地域で出生時体重が減少?という論文について、リスク学者永井孝志さんのブログより

永井孝志さんのブログで、「グリホサート多使用地域では乳児の出生時体重が減少している」という論文が掲載されたということが紹介されていました。

nagaitakashi.net

PNAS誌という論文誌がどのようなものかは知りませんが、あまり程度の高いものではないようです。

 

以前にもこのブログで「コウモリが死ぬと農薬が増えて乳児が死ぬ」という論文がなんとサイエンス誌に載ったという話が紹介されていましたが、これと同様の現象のようです。

元の論文の著者およびタイトルは以下の通り。なお、永井さんはこの論文誌PNASを「有名科学誌」と紹介しています。

Reiner and Rubin (2025) Glyphosate exposure and GM seed rollout unequally reduced perinatal. PNAS, 122 (3) e2413013121

 

この研究はアメリカで遺伝子組み換え作物が多い地域、すなわちグリホサート使用量が多い地域を高暴露地域、少ない地域を低暴露地域、都市部を解析対象外とし、グリホサートが本格使用され始めた1996年以降の出生時の体重を比較したというものです。

すると高暴露群では低暴露群より30g体重が減ったということでした。

 

これは個人のグリホサート暴露とその影響をみる「コホート研究」というものではなく、地域による差を見る生態学研究というものです。

そこにはグリホサート暴露量だけでなく多くの要因が関わっているはずであり、もしも出生時体重減が本当に起きていたとしてもその真の原因は別にあるかもしれません。

というより、そちらの可能性の方がはるかに強いように見えます。

他の面から見てもどうも因果関係を証明するどころか相関関係すらあるかどうかも言えない程度のものだということです。

というわけで、かなりレベルの低い論文のようです。

 

このような「疑似相関」についてはよく注意してみていく必要がありそうです。