化石燃料、すなわち石油、石炭、天然ガスはいったい何に使われているのでしょうか。
GOOGLE上で調べるとAIが答えてくれました。
石炭:発電に約73%、鉄鋼業に約30%
天然ガス:発電に約6割、都市ガスに約3割、工業用の燃料などに約1割
石油:熱源(火力発電所、暖房等)に約42%、動力源(自動車、船舶、飛行機等)に約39%、原料(プラスチック、化学繊維等)に約18%
石炭は大部分が火力発電用ということでしょう。
3割の鉄鋼というのは製鉄業での還元法でしょうか。
天然ガスは発電が6割、残りは都市ガスなどの燃料として直接燃やすものでしょう。
石油が熱源に4割ですが、その他は動力源すなわち内燃機関などに4割、さらにプラスチック原料などに約2割ということです。
この化石燃料を使わないようにしようと、脱炭素化なることが行われています。
しかしその主な方策としては発電に偏っているようです。
何が言いたいかお判りでしょうか。
すなわち「電力以外の化石燃料の使用用途はどうするのか」ということです。
その最大の歪みが出ているのが「電気自動車」です。
ガソリンなどで走らせるのが最も効率的である自動車を無理やり電気で走らせようとしていますが、不便極まりなくその使用者はあまり増えていきません。
気候変動などで脅して使わせるのでなければ誰も使いたがらないでしょう。
さらにプラスチックなどの原料としての石油は他に換えられるものもありません。
現代社会はエネルギー依存文明であるということは私がかねてから言い続けていることですが、それと同様に「プラスチック文明」だとも言えます。
そしてその両方に深く関わるのが石油です。
一言でいうなら現代文明は「石油依存文明」だというのがもっともふさわしい言葉でしょう。
そのように文明存立の基礎ともいえる石油からどうやって抜け出していくつもりか。
それを考えずに気候変動対策などと言って形だけの脱炭素化をやったふりをしても、実際にはほとんど石油使用の削減にもならず、結局はどんどんと石油を使い続けています。
答は実は文明自体を変えていくという困難な道を取らなければならないということにあります。
自動車というものを放棄する。プラスチックを使わないようにする。
それはこれまでの文明の形のほとんど全部だともいえるものです。
それを放棄するとは結局は今の社会のすべてを変えていく必要があるということです。
それができないのなら、脱炭素などという不可能なことなど言うのも止めなければなりません。