爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トランプはインフレを退治できるのか。

どうもトランプネタが続いてしまいますが、次々とその政策の報道が明らかになっており、やはり触れないわけにもいかないでしょう。

なお、以下には経済学的な問題にも触れますが、もちろん専門的な経済論など私が知るはずもなく、何の裏付けもないまま語るだけの床屋政談のようなものです。

あまり真剣に聞かないように。

 

トランプは就任すればすぐにでもインフレを退治すると称していました。

それがこのような大統領選での大勝につながったとも言えます。

たいていの場合、インフレは現政権の失策と捉えられ選挙になれば政権交代につながるというのは諸国の通例でもあります。

 

しかしどのような政策を取ってインフレを収めるつもりなのか。

富裕層、企業に対する減税、中国をはじめとして関税大幅アップ、移民を締め出して労働者減につなげ人件費アップなどインフレにつながるような政策ばかり進めるようで、どう見ても逆コースです。

 

どうやらトランプはバイデン政権が環境対策に向かい、シェールガスシェールオイルなどのアメリカ国産エネルギーの利用を減らす政策を取ったことが間違いであり、それでインフレになったと思っているようです。

そこで諸外国(といっても西欧の一部)に背を向けてまた化石燃料増産に向かい、エネルギー価格を低下させればインフレは収まると思っているようです。

 

これは二重三重に間違った考えです。

シェールガス等の減産は脱炭素化に向かうためと宣伝されているのかもしれませんが、そうではなく既に経済的に産出できる資源量は終わったからでしょう。

したがって、今さら増産と言っても資源枯渇が早まるだけです。

 

さらに、本当のインフレの原因はやはりコロナ禍対策であったものと言えます。

コロナ禍で社会の活動が沈滞し経済も回らなくなったため、補助金や貸与金をどんどんと政府が出したというのは、日本ばかりでなく諸国でも同様でした。

国全体の富の総量は変わらないのに、動きが無くなったということは、使い道がなくて持ったままの層と、入ってこなくて困窮する層の両方が存在したわけです。

その困窮層に主に国の財政支出として国債発行などで調達した資金を注ぎ込んだ。

とはいっても、使い道に困って金を保持しているだけの層の金を吸い上げることはしていません。

結局は金の総額が増えすぎ、コロナ流行が収まると一気に溢れだしたのが世界的なインフレの原因の大きな部分ではないのか。

(諸外国の実例は良く知りませんが、日本のこのような対策と大同小異なのでは)

 

その溢れた金が今では変なところに流入し、世界的にバブルになっています。

その一方で金が流れ込まない人は物価高だけをかぶり生活苦となりました。

それがインフレの実像であるなら、金が溜まり込んだところから何とか政府が吸い上げることが必要でしょう。

富裕層減税など、まったく逆方向でありインフレのさらなる暴走が待つばかりです。

 

トランプの経済政策の失敗はやる前から明らかです。

それがいつ米国民や世界中に明らかになるか。

そしてそうなった時にトランプはさらに暴走するのも目に見えるようです。

世界中を危険にさらすトランプ政権第二期、なんとか破滅する前に任期が終わるかどうかでしょう。