西田敏行さんが亡くなったということで、NHKファミリーヒストリーで2017年に放送されたその番組が再放送されました。
テレビ番組の感想など書いたことはほとんど無いのですが、これにはかなり心が動かされました。
news.yahoo.co.jpファミリーヒストリーという番組は、ある人物(芸能人が多い)の先祖をたどりどのような人生を送っていたかということを調べるというもので、なかなか興味深い話も多いのですが、最近の放送はほとんど見ているものの、以前のものは見ておらず、この西田さんの回も見逃していました。
西田さんは実父が亡くなったために実母の姉夫婦に養子に迎えられ育てられたのですが、そのそれぞれの先祖の活躍ぶりもさることながら(実父の先祖は関西の大名の家老、養父の先祖は薩摩藩の火薬製造の責任者)西田さんが養子となった経緯のあたりが人の心の動きや情意の奥深さを感じさせられるものでした。
実父は貯金局職員として昇進し、各地の局長を務めるまでになったのですが、福島郡山に赴任する時の直前に長年連れ添った妻が病死し、子どもたちはすでに成人していたので一人で赴任したそうです。
その時年齢はすでに50を越えていたのですが、そこである若い女性と恋に落ちてしまいました。
両家家族からは大反対されたものの結婚し、そして西田さんが生まれました。
ところが実父はそのすぐ後に病死、母親は実家に戻り美容室を始めるのですが、その後やはり妻を亡くし子どもを育てていた男性と知り合い結婚を考えます。
しかし双方連れ子をつれての結婚は難しいと悩んだ時、その姉夫婦が実子を病気で失いその後子どももできなかったため、敏行さんを養子に貰うということになったそうです。
その時まだ5歳でほとんど意味も分からないまま貰われていったのですが、養父母は敏行さんをとても可愛がり、それは成人して役者の道に進んでからも同様でした。
養父は敏行さんと血のつながりは無いにも関わらず、苦しかった家計を注ぎ込んでも応援していたそうです。
それがあの大俳優を育てることにつながりました。
実の親子でも心が遠く離れることは多いのでしょうが、血のつながりは無くとも心がつながることはあるのでしょう。
涙なしには見ていられない放送でした。