爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「祭のリスク」について、永井孝志さんのブログより。

韓国の梨泰院でのハロウィン雑踏死亡事故、群衆事故という見方が多いのですが、リスク学者永井孝志さんさんはあえて「祭の死亡事故リスク」という方向から解析されています。

nagaitakashi.net

まあ、ハロウィンも祭のようなものですから、間違いではないでしょう。

 

どうも人間は宗教的な行事だからこそ、祭りというものに対してリスク感覚が緩くなるのではないかということです。

 

しょっちゅう死亡事故の起こる祭として、大阪岸和田などでのだんじり祭りが挙げられています。

1988も以降30人の死亡者が出ているとか。

そして、それでも中止という声すら出ずに続行されています。

 

危険であることにかけては長野諏訪大社御柱祭もひけはとりません。

6年に一度の開催ですが、ほぼ毎回のように死者が出ています。

こちらも死亡事故があったからと言って中止の声も出ません。

 

こんな死亡事故が起きるのは日本だけかというと全くそんなことはなく、世界にはもっと危険な祭りを毎年行っているところがあり、スペインの牛追い祭は一回で10人の死者が出たこともあるとか。

 

同じように「祭り」のようなものではあっても、兵庫県明石市の花火大会で雑踏事故が起き多くの死者が出たあとは花火大会は開催されず、同様に福知山市で花火大会の際に露店のボンベが爆発した事故で死傷者が出たあとはもう花火大会の開催はありません。

 

どうやら、伝統的な祭り、長年続いている祭り、宗教的要素の強いものは死亡事故が出ても続けられ、そういった色合いの薄いものは開催されなくなるようです。

 

私の両親の出身は長野県伊那地方で、親戚も多いのですが、実は御柱祭は諏訪だけでなく他の諏訪神社分社でも行われます。

もちろん死者が出るような大掛かりなものではないのですが、もしも死者が出ても続けられるのは間違いないでしょう。

そこには宗教的な思想が大きく作用し、祭りで死んだ人は神様のもとに行けるといった感覚があるのではないかと思います。