爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

新型コロナウイルス感染について疑問。

三年ぶりに行動制限のない盆休みということで、各地で帰省客や観光客が溢れ以前のような活況が徐々によみがえっているように見えます。

 

一方では新型コロナウイルス新規感染者数がこれまでとは比較できないほどの多数になり、医療機関が逼迫しているとして感染対策の徹底を呼び掛ける声が空虚に響きます。

 

確かに人々の行動には慎重さが無くなっているようにも見えますが、そのせいでこれほどまでに多数の感染が起きるのでしょうか。

 

また相変わらず「基本的な感染対策」などと言われていますが、本当にそれにこれまでのような効果があるのでしょうか。

 

どうもここに来てウイルスがかなり変化している一方、ここまである程度の効果があったと思われる「基本的な感染対策」がもう機能しなくなっているようにも感じます。

 

ニュースではここ連日のように「三年ぶりの里帰り」といった映像が流れています。

盆正月程度しか帰省できない人々が多く、そこに感染の山がぶつかるという状況で丸2年以上帰省できなかったとなれば、少々感染の恐れがあったとしても帰りたくなるでしょう。

特に親などが高齢であと何回会えるか分からないと言った人々や、子どもが生まれてもまだ顔を見せられないという人々にとっては切実な話です。

(我が家の息子の所の孫も1歳半になるのにまだ1度も会っていません)

 

しかしそういった人々の帰省でも「何の配慮も無く」行っているのではなく、旅行前に抗原検査を受け、マスクなどは着用、帰った実家の方でもあまり外出もしないといったことは皆やっているようです。

 

それではなぜこれほどまでに新規感染者数が増加しているのか。

いわゆる専門家の言うように「人々の行動が緩んだ」だけでしょうか。

ここに大きな疑問が生じます。

 

どうも「人々の行動の緩みではなく、ウイルス自体の変化が激しいのではないか」

という疑問が湧いてきます。

 

もうほとんど誰でも知っているように、現在の感染株はオミクロンのBA5というものが主流です。

この株は感染力がこれまでの株と比べても非常に強いと言われています。

しかしその変化は感染力だけではないとも感じられるものです。

 

まず誰もが分ることが「重症化率が低い」

これもいわゆる専門家が重症者は増え死亡者も一定数出ているなどと言っていますが、感染者総数から比べれば以前の比率よりはるかに低いのは歴然としています。

それが見えているからこそ、人々が帰省や観光をやりたくなるのでしょう。

 

さらにどうも「肺炎症状」がひどくなるという病態も変わっているのでは。

これが「人工呼吸器やエクモを用いる」という重症者定義と異なるため重症者数は増えないまま死亡者が出てくるということになるのではないかという疑いを感じます。

 

ということは、もしかすると感染経路の変化も伴うかもしれません。

咳や痰に含まれるウイルスが飛沫となりエアロゾル化して浮遊し感染するという空気感染あるいはエアロゾル感染がこれまでも最大の感染経路と言われています。

(日本ではこれをなかなか認めなかったため感染防止の対策に狂いが出たと言われています。)

これにも変化が出ればいわゆる「基本的な感染対策」も変えていかなければなりません。

 

これまでのワクチンや感染により形成された抗体も現在の変異株にちゃんと効果を発揮しているのか。

これにも大きな疑問が出てきます。

現在の感染者の多くは少なくとも2回、ほとんどは3回のワクチン接種を終えているはずですが、それでも感染防止には何の効果も出ていないようです。

重症化防止には効果があると言われていますが、それも本当かどうか怪しいものでしょう。

そこで知りたいのが「従来型株に感染した人の再感染」のデータなのですが、どうも全くまとまった数字が見えません。

再感染をするのか、それは抗体が減少するためかそうではなくて現在株に抗体が効果がないのか。

それによってワクチンの接種に対する姿勢も変わってきます。

もうファイザーやモデルナでは「オミクロン対応」のワクチンを製造し始めています。

オミクロン株にはそれに対応したワクチンの方が効果があるのは当たり前ですが、まだ以前のワクチンが大量に余っているのでしょうか。

日本では以前のワクチンで4回目接種も行なうようです。

それで副作用だけ起きたのでは全く割に合わないものです。

 

感染状況を軽視しがちな一般人を脅そうというのか、盛んに言われているのが「病床使用率」です。

しかしこれも分母の病床数を見ればそのあまりにも少ないことにはあきれるだけです。

単に病床を減らしていただけなのに、それが埋まってきたといっても慌てることもありません。

また、「医療機関の逼迫」もかつての本当の重症者による逼迫とは全く状況が違います。

今は発熱者が急増しており、その外来対応ができない。

また、医療機関や重要職務者の軽症無症状の感染者、濃厚接触者が増え、その人たちが一定期間隔離され仕事ができないことによる逼迫です。

これも感染症法上の類別の過重によるということは指摘されていることです。

このような、「決め方次第」のことを何もできないというのが日本の行政などの最大の弱点でしょう。

 

どうやら、コロナウイルスの変化というものは弱毒化ということだけでなく多くの点で起きているように見えます。

それをいったん決まったからとそのやり方だけを押し通していくと不効率や矛盾が大きくなっていくばかりです。

まあ「何にもやらない岸田内閣」だそうですから、敏速な対応など望むべくもないのですが。