経団連の十倉会長がNHKのインタビューに答えたものが朝の番組で流されていました。(ネタの宝庫でいつも参考にさせてもらっています)
「脱炭素化を成長の切り札に」するということで、世界に先駆けて技術開発などを行い、総額400兆円の投資をするとか。
政府にも年2兆円の支出を求め国債発行で賄えという話です。
放送自体の記録はまだありませんが、同様の内容を東洋経済オンラインで語ったものがありました。
「脱炭素化」というものがどういうものか、その正体が明らかになるまではこういった妄言を信じる人がほとんどなのでしょうが、成長とはまったく逆方向に行かなければ本当の「実質の脱炭素化」は成立しないということが分かるのはすべてが破綻した後なのでしょう。
この会長は住友化学の会長でもあるということで、重化学工業先導の経済というものを疑う気持ちなどは全く持てないのでしょうが、核心はそこにあります。
まあ何度も書いたことですのでここでは止めておきますが、小手先の技術などで解決するような脱炭素化などと言うものは無いということです。
しかしそれにしてもそのためだけに年間2兆円の国債を新たに発行しろとは、怖ろしいことを。
どうも国債発行というものに対する警戒心もすっかり無くなってしまい、いくらでも出してしまえということでしょうか。
国債はいつかは返さなければならないものですが、成長さえすれば返せるということでしょう。
しかし、この投資は「どぶに捨てる」ようなものです。
まあ「どぶ」というのは「機械メーカー」「開発会社」「建設会社」などの業界のことなのですが。
彼らのふところに直行させ、一時的に豊かにするだけでありそのツケは重く大きいものとなるでしょう。
結局「脱炭素化は成長の切り札」ではなく「脱炭素化は亡国の切り札」となるでしょう。