北京オリンピックでスノーボードのハーフパイプとやらの競技で、日本選手のプレーの採点をめぐりその評価法の問題点があることは指摘しましたが、今度はビッグエアーというとんでもない高さからくるくる回るというものを見ていてさらに大きな危険性に思い当たりました。
スノーボード競技全体に言えることのようですが、中継中にも選手紹介で「大きな負傷から立ち上がり」という言葉が何度も聞かれました。
練習中や試合中に大きな負傷をするということがどうやら頻繁にあるようです。
またその採点方法が3回の試技で上位2回の点数を足して競うというもので、2回目までにメダルに届かない選手が3回目にはさらに高得点の技にチャレンジするというところが見られ、事故の危険性もさらに増すようです。
スポーツをしている際の事故というものは、どうしても付き物であり負傷者の発生も避けられないものですが、それでもやはり手を尽くして事故の発生を少なくするべきでしょう。
以前に大相撲で異常なほどの土俵の高さのために負傷者が続出しているとして、土俵の改善をすべきだと言うことを書きました。
しかし、このスノーボード競技というものは、その前提自体が非常に危険なもののようです。
数十キロの速度でかなり高い位置から飛び出し、落ちるまでの間にくるくると回るという、考えただけでも怖ろしいことをやっているというのは、見た眼は派手でスリリングですが、やっている選手にとっては大変なことでしょう。
どうもこのスノーボード(スケートボードも同様)という競技はそのような事故すれすれというスリルも一つの売り物にしているようです。
しかもヘルメットなど防具は若干は身につけているとはいえ、体への被害を防止するにはまだまだ不十分なように見えます。
最近(とはいえスノーボードはかなり以前から)オリンピックに取り入れられている競技にはどうもこういった危険性が高いものが目立つように感じられます。(まあ、スキージャンプや体操競技、水泳の高飛び込みも似たようなものかもしれませんが)
若い人に人気の競技を取り入れてオリンピックの人気を高めたいという、IOCの戦略なのでしょうが、どうもこういった商業主義的姿勢が強いようです。
選手たちも活躍してメダルをとればスターだという思いでやっているのかもしれませんが、身体の安全が何より大事なことです。
しかも、大相撲の怪我とは比べ物にならないほど、スノボの怪我は重大なもののようで、死亡もあり得るようなものです。
せめて、もっと本格的な防具を義務化し安全性を高めるわけにはいかないのでしょうか。