爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「エリートツリー 脱炭素化の切り札」って、切り札は無理でしょう。

朝も6時にはテレビをつけて見ていますが、7時台のニュースとは違い色々な話題を取り上げていて飽きません。

今朝も「エリートツリー 脱炭素化の切り札」という謳い文句。

これは何かありそうだと期待してみていたら、成長速度が1.5倍の木の開発というだけのものでした。

www3.nhk.or.jp

 

このような「エリートツリー」は農水省の肝いりで製紙メーカーや大学、研究所などが総出で取り組んでいるようです。

その出発点はあくまでも「林業の活性化」というものだったのでしょうが、最近の脱炭素化の風潮でこれを上手く使えばさらに金が出やすいと考えたのでしょう。

うまうまと「脱炭素化の切り札」などという惹句を付けたようです。

 

成長が1.5倍なら二酸化炭素吸収も1.5倍になるというのは間違いないことでしょう。

しかし、この「植物による二酸化炭素吸収」はあくまでも「一時的貯留」であることは考えておかなければならないものです。

つまり、「成長した木材を分解しないように地中深く埋める」ならば二酸化炭素を固定化して大気中から取り除く効果はありますが、木材を利用するなり、分解、燃焼させた場合にはその固定した炭素はそのまま二酸化炭素として大気中に戻るのは当然です。

 

そのようなことも判らず、メーカー側の策略通りにニュースにしてしまうNHKなどのメディアの「科学リテラシーの欠如」もひどいものです。