テレビなどをぼんやりと見ていると、最近は特に多く感じるのが「免疫力増強」という言葉です。
免疫力を増強するためには、何々を。といった具合に機能性表示食品や健康食品のCMが次々と流され、その中には日本を代表するような大会社のものも数多く含まれています。
しかし、「免疫力」などというものがそう簡単に「増強」され、病気にかかりにくくなるなどということがあるのでしょうか。
私はもちろん医者でもなく、医学的な知識はそれほどあるわけでもありませんが、それでも「免疫異常」が多くの病気の原因となっていると言うことは知っています。
花粉アレルギーなどというのも免疫が強すぎる(あるいはコントロールが効かなくなっている)というものだそうですし、他にも膠原病などの難病もそうだと聞いています。
ネットでそういった問題について書かれているものが無いか知らべてみました。
ちょっと前の記事ですが、大学の医学部の先生が書いています。
「免疫力が低下した人」が病気にかかりやすくなるということは確かにあるようですが、だからと言って「免疫力が増強する」と病気にかからないなどということはないそうです。
ワクチンというものは、それぞれの病原体に対する免疫を高めることでかかりにくくしているわけですが、だからと言って「何でも効く免疫」などというものを増強しようとするのは無理でしょう。
「免疫力アップで病気にかからない」などというのは怪しげなものだとバッサリです。
この内科の病院が作成したサイトには自己免疫疾患について書かれています。
自己免疫疾患とされている病気は数多いのですが、その中には難病に指定されているものもあります。
関節リューマチ、重症筋無力症、多発性硬化症など怖ろしそうな病名が並んでいます。
それらの病気には治療法が不明なものも多いのですが、免疫を抑制する治療が行われるそうです。
これも医師の方が書いているものです。
そもそも、医師は「免疫力」などという言葉は普通は使わないそうです。
これは不適切な言葉であり、なぜ不適切かということをこの記事の中で説明しています。
だいたい「免疫力」という言葉を使っているだけでそれはトンデモだと考えてもいいようです。
やはりワクチンでウイルスに対する免疫を付けるということは正しいことですが、何となく「何かを食べて免疫力アップ」などということはないようです。
ただし、「免疫力低下」ということはあり得ることで、それで病気にかかりやすくなるということもあります。
それはまた別の病気だということでしょう。
どうやら、どんな大会社のCMであっても「免疫力を高める」と言っているだけで信じない方が良さそうだということが判るようです。