熱帯の淡水魚アロワナは観賞魚として非常に人気が高く、高値で取引されます。
しかし絶滅危惧種であることから、アメリカなどでは輸入が禁止されています。
ところが養殖は可能であることから多くの国でその業者が生産しており、それがほとんど流通しています。
本書著者のボイドさんはしかし養殖の魚には飽き足らず、各国を巡って奥地に踏み入り未発見の新種アロワナを探します。
インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ブラジルなど政情不安の国も多くまたいまだに侵入者を殺すような未開民族も多いということで、危険な旅を繰り返します。
アロワナは養殖可能といってもやはりそれには多くのリスクがあり、養殖魚を狙った強盗も絶えず、それで殺人も起きているようです。
なお、養殖した魚であれば絶滅危惧種の取引禁止には該当しないように思いますが、アメリカではそれでもダメとなっているとのことです。
しかし各国を回ってもほとんど野生のアロワナは見ることができません。
新種アロワナどころか既存種すら見ることができなくなっているところがほとんどであり、確かに絶滅危惧種であるということは間違いなさそうです。
それでも最後にはミャンマーで2匹を捕獲ししかもそれが未発見の新種らしいということになったのですが、政府の取り締まりと各国の条約対応の関係で飛行機での輸送ができず、船舶輸送を行ったけれど途中で盗まれてしまうというオチまでついています。
なお、そういった大探検旅行を繰り広げる著者は何と金髪の若い女性だということで、それも驚きです。よく無事でと思います。
というわけで、分厚い本の割には印象の薄い内容でした。