日本製紙が「レアメタルを使わない蓄電池」の開発に着手したということで、株が高騰したということです。
www.nikkei.comこれが本当ならもうエネルギー問題は解決かというようなものですが、さて実際のところはどうでしょう。
木材を原料にパルプ化して製紙をするのですが、それをさらに微細化することでセルロースナノファイバー(CNF)という材料になります。
どうやらそれが蓄電池として利用できるかもということのようです。
上記の日経新聞記事には「容量もリチウムイオン電池の2.5倍」などと書いてありますが、どこからそういう数字が出るのでしょう。
ただし、専門家のツイッターによれば、それは蓄電池ではなく「キャパシタ」つまりコンデンサーのようなものではないかと言うことで、一時的な保持はできるものの長時間の電力保持の用途ではないものだとか。
蓄電池の開発研究は近年かなり盛んになったように思えますが、実際にはもう数十年も延々と続けられ、リチウムイオン電池の高性能化などの成果も出ていますが、大容量でレアメタルなどの希少原料を使わないというものはいまだに実現していません。
そう簡単に「開発に着手」したからすぐに成果が出るということは期待薄でしょう。
それにしても、この程度の話で右往左往する株式相場と言うもののあほらしさ。
とにかく、今後の電力をめぐる問題で一番のポイントは蓄電池であり、そしておそらくそのせいで失敗するでしょう。